Jパワーや日立など5社、総務省のワット・ビット連携関連実証に着手
電源開発株式会社(Jパワー)、シスコシステムズ合同会社(シスコ)、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)、株式会社日立製作所(日立)、株式会社ビットメディア(ビットメディア)の5社は、総務省の令和8年度「ワット・ビット連携関連実証」に着手しました。複数の電力供給エリアに分散配置したAIデータセンター(AI-DC)を連携し、AI学習や推論などの計算タスクを最適な場所と時間に動的配置するワークロードシフト(WLS)の実現可能性と有効性を検証します。実証事業は2026年8月から開始しており、2027年2月1日までの実施を予定しています。
横浜と北九州の拠点を結びワークロードシフトを検証
本実証事業では、低遅延・大容量・高信頼なオール光ネットワーク(APN)などを活用し、電力・通信・計算資源を統合的に制御します。再生可能エネルギーの発電量予測や電力の取引価格・需給状況、計算資源利用状況などの情報に応じて、AI学習や推論などの計算処理を最適な場所と時間に配置するWLSの実現を目指します。
具体的には、横浜および北九州のAI-DCをクラウド型ネットワークサービス(NaaS)回線で接続し、計算処理を状況に応じて拠点間で動的に配置します。これにより、再エネの有効活用および出力抑制の低減、電力需給の安定化、AI-DCのレジリエンス向上に対するWLSの効果を評価します。あわせて、サービス品質を維持しながらWLSを適用するための運用方法や、システムおよびネットワーク構成の検証、再エネ出力抑制や電力コストの抑制効果、WLSによるAI処理のオーバーヘッド(処理時間増等)の確認も行われます。
新幹線沿線の既設光ファイバーを活用した通信品質の測定
分散型AI-DC間を接続する通信ネットワークの高度化に向けた検証も進められます。JR東日本が保有する新幹線沿線の既設光ファイバーを利用し、鉄道沿線APN環境における通信性能や伝送品質を検証します。

この検証においては、鉄道沿線の振動や気象影響下における通信品質として、伝送損失やエラー、通信遅延やゆらぎなどの影響を確認する計画です。
電力需給の安定化と分散型AIデータセンター運用モデルの確立へ
AI活用の拡大に伴いセキュアなAI-DCへの需要が高まる一方、計算需要の増大に伴う電力需要の増加や、特定地域・時間帯での再エネ出力抑制の増加が課題となっています。これらに対し、AI-DCの分散配置やAPNを用いた統合、電力需給に応じた柔軟なWLSによる運用モデルの確立が求められています。
こうした背景から、Jパワー、日立、シスコ、ビットメディア、JR東日本、JR西日本光ネットワーク株式会社、名古屋鉄道株式会社の各社は「広域APN・ワークロードシフト イノベーション推進協議会」を設立しています。今回の実証は同協議会の取り組みの一環として、初期段階の技術実証に位置付けられています。実証終了後も実環境での段階的な検証を継続し、より効果的かつ経済的な分散型AI-DC運用モデルの確立と社会実装を目指すとしています。
実証に参画する各社の概要
本実証に参画する企業の概要は以下の通りです。
- 電源開発株式会社(Jパワー):1952年創業の電力会社。水力、火力、風力、地熱、太陽光等による発電および送変電事業を展開。”J-POWER BLUE MISSION 2050″を掲げ、2030年に2013年度比で2,250万t削減、2050年に国内発電事業の実質ゼロを目標としています。
- シスコシステムズ合同会社:組織をセキュアにつなぎ保護するグローバルテクノロジー企業。40年以上にわたり培った技術をもとに、AIソリューションやサービスを提供しています。
- 東日本旅客鉄道株式会社:モビリティと生活ソリューションの二軸で事業を展開。鉄道沿線に約7,200キロの光ファイバーを保有しています。
- 株式会社日立製作所:IT、OT、プロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業を展開。2025年度(2026年3月期)売上収益は10兆5,867億円、2026年3月末時点で連結子会社606社、全世界で約29万人の従業員を擁しています(URL: www.hitachi.com/ja-jp/ )。
- 株式会社ビットメディア:インフォシティグループのクラウドサービスプロバイダー。2000年代前半より分散型プラットフォームの研究開発を手掛け、WLS機能を提供するSmartPowerプラットフォームの開発運用や株式会社MESH-Xを通じた事業化を推進しています。
本記事は電源開発株式会社、シスコシステムズ合同会社、東日本旅客鉄道株式会社、株式会社日立製作所、株式会社ビットメディアの発表をもとに作成されています。
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