東レ、150℃耐熱フィルムコンデンサを搭載したインバータの動作実証に成功
東京都中央区に本社を置く東レ株式会社(代表取締役社長:大矢 光雄)は、同社が開発した150℃耐熱フィルムを誘電体として用いたフィルムコンデンサを試作し、当該コンデンサを搭載したインバータについて150℃環境下での動作実証に成功した。名古屋大学未来材料・システム研究所の山本真義教授との共同研究による成果となる。
高温環境下での安定動作と放熱構造の小型化
東レは、山本真義教授と共同研究で試作したモデルインバータにおいて、自社の150℃耐熱フィルムを用いたコンデンサが高温環境下でも安定して動作することを実証した。
さらに、熱シミュレーションを活用した検証により、放熱構造を約50%小型化できる可能性を確認した。この放熱構造小型化効果は、東レの調査に基づき、電動モビリティ向けPCU(パワーコントロールユニット)を想定して試算した結果によるものとしている(2026年9月末時点)。
次世代モビリティにおける耐熱性向上の背景
脱炭素社会の実現に向けてEVや電動航空機、空飛ぶクルマなど次世代モビリティの電動化が進む一方、駆動システムの高出力化に伴い、インバータ内部で電力を安定化するフィルムコンデンサの耐熱性がシステム設計上の制約の一つとなっていた。特に空飛ぶクルマなどでは、航続距離向上のために放熱構造の小型・軽量化が重要とされ、フィルムコンデンサのさらなる耐熱温度向上が求められている状況があった。
NEDO補助事業としての推進と展示会出展
今回の成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「次世代モビリティ向けフィルムコンデンサ用高耐熱フィルムの開発」補助事業(2023年度採択テーマ)によるものである。同事業は、次世代電動モビリティ向けにPCUの空冷化を可能とする150℃耐熱フィルムコンデンサ用誘電体フィルムを開発し、小型・軽量化や高効率化を通じて電費向上と省エネルギー社会の実現への貢献を目指している。
本技術は、2026年10月13日から16日に幕張メッセで開催される総合展示会「CEATEC 2026」のNEDOブースに出展される予定となっている。東レは今後も、150℃耐熱コンデンサ用フィルムの社会実装に向けて名古屋大学と連携しながら開発・検討を進めていくとしている。
本記事は東レ株式会社の発表をもとに作成しています。 事業詳細URL:https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100197.html
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