デル、AIデータプラットフォーム拡張 企業データを活用し処理速度最大20倍へ
デル・テクノロジーズ(NYSE: DELL)は2026年10月6日、「Dell AI Data Platform」を拡張し、AIシステムが企業データから信頼性の高いコンテキストを活用できるようにする新機能を発表しました。企業内に分散するデータへ一貫した意味付けを行い、AIエージェントによる運用の効率化やコスト削減を支援します。NVIDIAとの協業を通じた処理の高速化やセキュリティー強化も図られており、企業のAI本番環境への移行を促進します。
企業データをAI向けに体系化する3つの新機能
多くの企業において、データがラベル付けや整理をされないままファイルやデータベースに分散しており、AIエージェントが既存の回答を再構築するために余計な計算処理やコストを消費する課題があります。こうした状況に対応するため、「Dell AI Data Platform」に以下の3つの機能が追加されます。
- Unified Semantic Layer:構造化データと非構造化データに対し、ルールや定義、検索可能な用語集を通じて一貫した意味を与えます。オープンソースライブラリのNVIDIA Auto-Ontologyを有効化し、既存のタクソノミー資産の再利用も可能です。
- Enterprise Knowledge Graph:メタデータやデータリネージ、クエリ履歴を利用し、データ同士の関連性をマッピングして状況の変化に応じて継続的に調整します。
- Knowledge Agents:Enterprise Knowledge Graphで定義された特定領域に基づき、単一テーマのアドバイザーとして機能します。推論や視覚理解にはNVIDIA Nemotron Retrieverモデルが用いられます。
これらの機能は顧客のデータセンター内のプラットフォーム上に保持され、特定のモデルやストレージプロバイダーに囲い込むことなく運用されます。
NVIDIAとの協業によるデータ処理の高速化とセキュリティー強化
データの変換から高速計算基盤への転送までを円滑に行うため、データパス全体に高速化機能が組み込まれました。
NVIDIA RTX PRO 4500 Blackwell Server Edition GPU上でNVIDIA cuDFにより駆動される「Dell Data Processing Engine」は、CPU単独と比較して平均で約4倍高速にデータ処理を行い、バッチ処理ワークロードでは最大20倍の高速化を実現しました。この数値は、2026年9月に実施された「Dell PowerEdge R770」上でのApache Sparkによる社内テスト(GPU構成で平均3.9倍、最大20.4倍)に基づくもので、デフォルト構成での結果です。
また、「Dell PowerScale」では単一クラスターで最大500テナントのサポートやNFS上のmTLSによる暗号化・認証に対応し、マルチテナンシーとセキュリティーが拡張されました。あわせて、S3互換オブジェクトストレージの性能試験などを行える「Dell Storage Performance Tool」も提供されます。
デル・テクノロジーズのアーサー ルイス(Arthur Lewis)氏は、データが何を意味し他とどうつながるかを理解できないエージェントは知的とは言えないと指摘し、課題解決によって既存データからより大きな価値を引き出せると説明しています。
導入支援サービスと各機能の提供時期
本番運用への円滑な移行を支えるため、「Dell Services」による導入サービスも拡充されます。プラットフォームの分析や検索、オーケストレーション機能を有効化し、AIワークロードに合わせた最適化を支援します。
各機能およびサービスの提供時期は以下の通りです。
- 「Dell Storage Performance Tool」:現在提供中
- AI対応データサービス:現在提供中
- 「Dell PowerScale」のセキュリティーおよびマルチテナンシー強化機能:2026年11月に提供開始予定
- NVIDIA高速化スタックを活用した「Dell Data Processing Engine」の強化機能:2026年12月に提供開始予定(Apache Arrowを活用したさらなる高速化は2027年前半を予定)
- Unified Semantic Layer、Enterprise Knowledge Graph、Knowledge Agents:2027年前半に提供開始予定
本記事はデル・テクノロジーズの発表をもとに作成されています。
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