日本総研、自治体向けペロブスカイト太陽電池導入ガイドを作成
株式会社日本総合研究所は、自治体などの公的機関が公共施設へペロブスカイト太陽電池の導入を検討する際に必要となる考え方や実務上の留意点をまとめたホワイトペーパー「公的機関担当者のためのペロブスカイト太陽電池導入推進ガイド」を作成しました。ペロブスカイト太陽電池は軽量性や柔軟性などに優れ、従来型シリコン系太陽電池では設置が難しかった場所への導入が期待されています。本レポートでは、技術的特徴や政策上の位置づけを整理した上で、導入検討のプロセスや実務課題への対応策を示しています。
導入検討を6段階に体系化
レポートでは、自治体によるペロブスカイト太陽電池の導入検討を「企画・構想」「対象施設・方式の選定」「基本計画・庁内合意」「発注・設計」「施工」「運用・維持管理」の6段階に体系化しています。
ペロブスカイト太陽電池の導入には、環境部門、施設所管部門、営繕・建築部門、財政部門、契約部門など複数の部門が関わります。そのため、単なる設備導入にとどまらず、運営・維持管理や将来の更新・撤去までを見据えた施設整備プロジェクトとして捉え、企画・構想段階から庁内横断で連携して進める重要性を指摘しています。
施設特性に応じた最適な方式の選定フロー
ペロブスカイト太陽電池にはフィルム型やガラス型などの種類があり、適地が異なります。軽量で柔軟なフィルム型は耐荷重の小さい屋根や曲面への設置に適しており、意匠性や透光性を備えたガラス型は建材一体型(BIPV)や後付け設置(BAPV)として窓やファサードなどへの導入が見込まれます。
レポート内では、耐荷重、設置部位、意匠性、安全性、施工性、経済性を考慮した選定フローを提示しています。新築の壁面や窓面でガラス型などを検討する際は、発電性能に加えて耐風圧性、水密・気密性、防火性といった建材性能を満たすことが前提条件となります。
自治体の先行導入が持つ意義と実務の課題

主原料の一つであるヨウ素について、日本は世界第2位の生産国として世界生産量の約3割を占めており、エネルギー安全保障の観点からもペロブスカイト太陽電池への期待が寄せられています。政府は2040年までに国内約20GWの導入を目標に掲げていますが、初期市場における需要とコストの課題が存在します。自治体の先行的な活用は、脱炭素化や防災機能強化に加え、地域産業へのノウハウ蓄積や民間普及の後押しにつながるとされています。
自治体、設計事務所、施工事業者、メーカーへのヒアリングに基づき、実務上の主な論点として以下の事項が挙げられています。
- 庁内連携のあり方:各部局が目的意識を共有し、企画段階から便益と負担を共有する体制づくり
- 発注条件と責任分界の明確化:特定製品への過度な限定を避けた公平な要求水準の設定、建築(外装)工事と電気工事の境界や保証範囲の整理
- 運用(O&M)と将来の出口設計:日常点検から将来的な部材交換・撤去・リサイクル費用までを見据えたライフサイクル全体での計画
本レポートは、以下のURLから閲覧できます。 https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/pdf/company/release/2026/1007.pdf
本記事は株式会社日本総合研究所の発表をもとに作成。
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