高松の海城が描く都市デザインの歴史、解説本が刊行

香川県高松市の歴史と都市デザインについて解説した新刊『高松 海城町の物語 瀬戸内の海城が開いた都市デザイン』が、2024年3月20日に発売された。この本は、株式会社瀬戸内人が出版するもので、同社は小豆島ヘルシーランド株式会社のグループ会社である。

本書の著者は西成典久氏で、香川大学経済学部・大学院創発科学研究科の教授であり、都市計画や景観デザイン・形成史が専門だ。また、NHKの人気番組「ブラタモリ」の高松編で案内人を務めたことでも知られる。

本書では、高松市の形成史を海城からの視点で解説している。なぜ高松に巨大な海城が作られたのか、その理由とともに、地形や歴史、文化、経済がどのように絡み合って高松の「まちの記憶」を作り上げてきたのかを詳しく解説している。また、本書には描き下ろしのイラスト15点と図版資料295点が収録されており、江戸時代と現代の高松を比較する「まち歩きマップ」も付属している。

高松市は、かつて日本を代表する巨大な海城があった港町で、現在は香川県の県都として栄えている。その発展の基盤には、海城と城下町が深く関わっている。しかし、現代の人々がその「まちの記憶」に触れる機会は少なく、その豊かな蓄積を現代の生活に活かしきれていないというのが現状だ。本書は、そのような状況を改善するために、海城から見た高松の歴史や魅力を丁寧に解説している。

本書は、高松市の歴史や都市デザインに興味がある人はもちろん、城や歴史が好きな人、まちづくりや地域振興、教育関係者にとっても必読の一冊となるだろう。