リスクモンスターが「金持ち企業ランキング」発表、信越化学が2年連続1位
2024年11月13日、リスクモンスター株式会社が実施した第13回「金持ち企業ランキング」調査の結果が発表された。この調査は上場企業の決算短信を基に、企業が保有している現預金から借入金等の有利子負債を差し引いたNetCashを算出し、企業ごとのランキングにしたものだ。
1位は2年連続で信越化学工業となり、2位は任天堂、3位はリクルートホールディングスだった。トップ100企業の約8割でNetCashが増加しており、前回調査の減少傾向から再び増加に転じている。アフターコロナでの消費回復や円安進行などを要因とする業績好転などが影響したものと考えられる。
現預金や営業キャッシュフローが潤沢であっても、金持ちランキングではトップ20の圏外となることがあり、有利子負債が少ないことが上位ランクインの重要な要素であることが明らかになった。
2024年3月期決算における上場企業の純利益合計は、3期連続で過去最高益を更新し、好調に推移している。今回調査対象企業3,097社のNetCash、現預金、純利益の増減を集計した結果、NetCash増加企業は57.9%、現預金増加企業は62.1%、純利益増加企業は56.7%となり、前年を超える利益の獲得がNetCashや現預金の蓄積に寄与していると考えられる。
企業経営においては、事業を発展・成長させることが重要であり、多額のCash保有のみで良否を計れるものではない。しかし、NetCashの保有量が多い企業は、支払不全となるリスクが低く、安全性の高い経営を実現しているといえる。リスクモンスターは、十分な事業成長を実現しながら、高い安全性を有する企業を目指すことは、経営者が掲げるべき目標の一つだと提言している。