日本財団パラスポーツサポートセンター、助成金業務に生成AI機能を導入へ
公益財団法人日本財団パラスポーツサポートセンター(パラサポ)は、パラリンピック競技団体組織運営・管理基盤支援助成金(パラサポ助成金)の関連業務をサポートするシステムに、新たに生成AIを活用する機能を追加開発すると発表した。新機能は2026年10月から順次稼働し、2027年4月までにパラサポ助成金に関するすべての業務に導入される予定である。なお、同システムの開発はヘルスル株式会社へ委託されている。
競技団体の事務負担軽減とガバナンス強化を目指す背景

パラリンピック競技団体の多くは少人数の事務局体制で運営されており、選手強化や普及活動といった本来の業務に加えて複数の助成金対応業務に時間と労力が割かれている現状がある。業務過多による対応不備も生じており、パラサポ助成金だけでも2025年度の対象27団体合計で1,000件以上に及んでいた。なお、助成金の対象団体数は年度により異なり、2025年度は27団体、2026年度は29団体となる。
パラサポでは人的リソース不足への対策として、2015年度から提供していたバックオフィス機能を拡充し、2021年度より競技団体に共通する総務、人事労務、経理、法務・税務相談、翻訳・通訳の業務を統合・人材シェアするシェアードサービスを提供してきた。今回の生成AI活用により事務負担をさらに軽減し、人為的ミスや対応不備の発生を最小限に防ぐことを目指している。
常務理事の小澤 直氏は、人的リソース不足は多くのスポーツ競技団体の共通課題であるとした上で、この取り組みが持続可能な運営とガバナンス強化につながる好事例となることを目指すとしている。
完了報告業務の一元管理と導入スケジュール

助成金業務の中で特に負担が大きくミスが発生しやすい「完了報告」業務をはじめ、申請から監査対応までを一元管理・デジタル化する。これにより業務の属人化を解消し、申請プロセスの透明化やリアルタイムでの情報把握・チェック体制の構築を通じて、コンプライアンスを遵守したガバナンス強化につなげる狙いがある。

新機能の稼働スケジュールと今後の予定は以下の通りとなっている。なお、スケジュールは変更となる可能性がある。
- 2026年10月:新機能の順次稼働開始
- 2027年4月:すべての業務への生成AI機能導入完了(2027年度は監査対応まで一気通貫で実施可能となる)
- 2027年:2026年度助成金に関する完了報告や監査対応の業務負荷低減効果などを公表予定
東京都港区に拠点を置き山脇康氏が会長を務めるパラサポは、日本財団の支援を受けて2015年5月に活動を開始した。2015年度から交付しているパラサポ助成金は、競技団体のガバナンス強化、普及啓発、広報・マーケティング、事務局人件費などに活用されている。主な活動実績と取り組みは以下の通りである。


- 2015年11月:競技団体・関係団体との共同オフィスを開設
- 2018年6月:「日本財団パラアリーナ」をオープン(これまでに延べ8.3万人を超えるパラアスリートが活用)
- 2016年4月開始のDE&I教育・研修プログラム「あすチャレ!」:2025年度末までに国内外で6,470回開催、子どもから大人まで66万人以上が参加
- 2024年4月開始の「パラサポ!インクルーシブ運動会」:種目「車いすリレー」を2024年5月~2026年6月までに全国12都県、25の市区町村の学校運動会やイベントなどで合計42回実施。新たなダンス種目を創作し2027年春季運動会での実施を目指す
本記事は公益財団法人日本財団パラスポーツサポートセンターの発表をもとに作成しています。


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