豊田通商、インドネシアでバイオメタン合弁会社を設立 2027年商業運転へ
豊田通商株式会社は、インドネシアでバイオメタンの製造・販売事業を展開するため、PT KIS Biofuels Indonesiaと合弁会社「PT KIS Toyota Tsusho Biomethane Indonesia」を2026年9月に設立しました。南スマトラ州のパーム油搾油工場廃水を原料としたバイオメタンの精製と供給を進め、2027年の商業運転開始を目指します。
事業設立の背景とバイオメタン需要の拡大
インドネシアは世界有数の天然ガス生産・輸出国ですが、近年は国内ガス生産量が減少傾向にある一方で需要が増加しており、エネルギーの安定供給確保が重要となっています。また、同国は世界最大のパーム油生産国であり、パーム油工場廃水(Palm Oil Mill Effluent、以下:POME)をはじめとする豊富なバイオマス資源が存在します。産業部門における脱炭素化の動きに伴い、天然ガスを補完するバイオメタンの需要が高まっています。
協業先であるPT KIS Biofuels Indonesiaは、グローバルにバイオガス・バイオメタン事業を展開するKISグループのインドネシア法人です。同国で初めてバイオメタンの商業生産・販売に成功した実績を持ち、KISグループ全体ではバイオガス分野において世界20カ国以上・90件を超えるプロジェクトを手掛けています。
合弁会社のPT KIS Toyota Tsusho Biomethane Indonesiaは、南スマトラ州のパーム油搾油工場で発生するPOME由来のバイオガスを高純度バイオメタンに精製し、輸送・販売するプロジェクトを推進しています。
製造されたバイオメタンは、インドネシア国営ガス公社のPT Perusahaan Gas Negara (Persero) Tbkが保有するパイプライン網を通じて、西ジャワ州の製造業をはじめとする需要家へ供給される予定です。年間約15万MMBTUの販売が計画されています。なお、MMBTUは天然ガス取引等で用いられる熱量単位で、52 MMBTUがLNG約1トンに相当します。
本プロジェクトは、2023年の第1回アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)首脳会合に際してPT Perusahaan Gas Negara (Persero) Tbkと締結した協力覚書(MOU)に基づくものです。パーム油製造業が集積するスマトラ島から製造業が集積するジャワ島の需要家へバイオメタンを供給する試みは、インドネシア初の事例となります。
脱炭素化への貢献と今後の展望
本事業を通じて、POME由来のメタンガスの大気放出抑制と、バイオメタンへの燃料転換による温室効果ガス排出削減の効果が見込まれています。需要家にとっては、既存のガス利用設備やパイプライン網を活用できるため、設備投資を抑えながら脱炭素化を進めることが可能です。国際的な持続可能性認証であるISCCの取得も進められ、環境価値の可視化と市場価値の向上が図られます。
豊田通商株式会社は、PT KIS Biofuels Indonesiaの知見と自社の事業基盤を生かし、日系企業をはじめとする顧客の脱炭素化ニーズに対応するとともに、同国におけるバイオメタンの普及拡大と持続可能な社会の実現に貢献していくとしています。
合弁会社の概要
PT KIS Toyota Tsusho Biomethane Indonesiaの概要は以下の通りです。

- 会社名:PT KIS Toyota Tsusho Biomethane Indonesia
- 所在地:インドネシア共和国南ジャカルタ
- 設立:2026年9月
- 出資比率:PT KIS Biofuels Indonesia 51%、PT Toyota Tsusho Indonesia(豊田通商インドネシア)49%
- 事業概要:バイオメタンの製造・運搬・販売
本記事は豊田通商株式会社の発表をもとに作成しました。
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