2026年1-9月のラーメン店倒産は56件 業歴10年以上の倒産が6割超占める
株式会社帝国データバンクの調査によると、2025年に減少したラーメン店経営業者の倒産が、2026年に入り再び増加傾向に転じました。2026年1-9月に発生した倒産(負債1000万円以上、法的整理)は56件となり、前年の年間件数である60件に迫る勢いで推移しています。個人店の閉業などを含めると、実際はより多くのラーメン店が市場から退出したとみられ、昨年4年ぶりに倒産が減少した業界環境に変化が生じています。
業歴10年以上の老舗や中堅クラスで倒産が急増
2026年は、創業間もない個人店ではなく、一定の知名度や実績を有して複数店舗を展開してきた中堅クラスのラーメン店における倒産が相次ぎました。
倒産を業歴別にみると、2026年は業歴「10年以上」の占める割合が36件・64.3%に達しています。個人店や創業間もない小規模企業が多かった2024~25年に比べて大幅に上昇しており、件数ベースでも前年累計(25件)を上回る結果となりました。
コロナ禍以降の「ラーメンブーム」の中で新規出店が相次ぎ、リピーター獲得競争に敗れた店舗の退出が進みました。2024~25年には、個人の職人技による競争から、1杯3000円を超える「プレミアムな体験」の提供へシフトする動きや、大手チェーンを中心としたサプライチェーン管理・DX化による高効率経営への転換が進められました。
一方で、原材料費や人件費の高騰を販売価格へ十分に転嫁できなかった企業は少なくありません。コスト上昇が続くなかで多店舗展開のスケールメリットを生かせない事業者や、価格転嫁と集客維持の両立に苦戦する事業者では、売上高を確保していても利益を残せず経営体力を消耗する事例が目立っています。実際にD-vision(2026年、破産)では、食材価格の高騰に加えて同業他社との競争激化による販売不振が経営を圧迫しました。
ラーメン業界では「家系」「二郎系」「豚骨」「醤油」などジャンルの細分化が進む一方、消費者の価格感応度が高く、「千円の壁」を意識した価格設定を余儀なくされた側面もあります。原価上昇局面でも十分な価格転嫁ができず、利益率の低下に直面したラーメン店は多い状況です。
足元では、うどんやそば、パスタなど他の麺業態の人気も広がっており、ラーメン業界だけが特別に評価される環境ではなくなりつつあります。「味」や「話題性」だけでなく、物価高に耐えうる経営体制を構築できるかどうかが、今後の生き残りを左右するとみられます。

調査概要
- 集計期間:2000 年 1 月 1 日~2026 年 9 月 30 日まで
- 集計対象:負債 1,000 万円以上 ・法的整理による倒産
- 対象業態:飲食店業態のうち「ラーメン」メニューの提供を行っている事業者
- 調査方法:帝国データバンクが継続的に収集・蓄積している倒産情報を基に、集計対象期間内に発生した倒産件数および負債総額を集計
本記事は株式会社帝国データバンクの発表をもとに作成しています。
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