AppierのAIエージェント研究論文が国際会議NeurIPSに採択
Appier Group株式会社は、最新の研究論文「Joint Optimization of Tool Creation and Use for Large Language Model Agents」(邦題:「LLMエージェントにおけるツール作成と活用の同時最適化」)が、AI・機械学習分野の国際会議NeurIPSに採択されたことを発表した。本論文では、AIがツールを作成し、問題解決の結果に基づいて継続的に改良・活用する強化学習フレームワーク「SMITH(Schema-grounded Multi-task Iterative Tool Honing)」を提案している。小規模AIモデルでも再利用可能な高品質ツールを構築でき、繰り返し行われる推論のトークンコストを大幅に削減できることが示された。
エージェント型AIの活用が進む一方で、多くのシステムは事前構築されたAPIや特定ツールの設定に依存しており、要件変更に伴う再構築が課題となっている。また、ツールの作成と利用を別々のモデルに割り当てている場合、ツールの説明の正確性や安定稼働に関する十分なフィードバックを得にくいという問題があった。
SMITHは、ツールの作成と利用という2つのスキルを1つの学習ループに統合するフレームワークである。作成・利用・検証・改良のサイクルを回すことで、説明の不備やパラメータ設計の誤り、実行失敗などの結果をモデルにフィードバックし、ツールの品質を継続的に向上させる。本研究では、ツールの作成と利用を同時に学習させる手法が、それぞれを個別に学習させる手法を明確に上回ることが確認された。
段階的な学習と共有ツールライブラリの構築
SMITHは易しい問題から難しい問題へと段階的に学習を進める手法を採用している。AIはまず4つの簡単な例題から解法を学んでツールを作成し、その後に難易度の高い未知の16問で汎化性能を検証する。
新たな問題を解決できたツールのみが複数のAIエージェントで利用可能な共有ツールライブラリに追加され、より優れたツールへと順次置き換えられていく。これにより、タスクごとに一からツールを作成する手間を省き、実証済みの問題解決スキルを再利用できる仕組みを整える。
研究で実証された3つの主な知見
本研究で示された主な成果は以下の3点である。
- 小規模AIモデルがツール作成において大規模AIモデルを凌駕: SMITHで学習した約40億パラメータのAIモデルが作成したツールは、未知のタスクにおいて比較対象のすべての手法を上回り、約300億パラメータのAIモデルがその場でツールを作成するベースラインをも上回った。
- 実証済みツールはAIモデル規模を問わず機能: 小規模AIモデルが作成したツールは、約3億5,000万パラメータの軽量AIモデルが使用した場合でも新たなタスクに対応でき、大規模AIモデルの性能向上にも寄与した。
- 繰り返される推論を再利用可能なツールへ変換: 実験において、従来の段階的推論では平均3,206トークンを要していた出力が約100トークンまで減少し、約32倍の効率向上を達成した。
Appierについて
Appier Group株式会社(東証プライム: 4180)は、2012年に設立された企業で、東京都港区に本社を置き、代表取締役CEOはチハン・ユーが務める。アジア太平洋地域、米国、欧州に17の拠点を構え、最先端の広告・マーケティング技術を提供している。
本記事はAppier Group株式会社の発表をもとに作成。
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