日立ハイテクとZEISS SMT、次世代マルチビーム電子線検査装置の開発体制を強化
株式会社日立ハイテクは、ドイツに本社を置くZEISS Semiconductor Manufacturing Technology(ZEISS SMT)と共同で進めている、半導体製造における次世代マルチビーム電子線検査装置の開発体制を強化します。半導体デバイスの微細化やHigh-NA EUVの導入に伴い増加が予測される微小欠陥に対し、従来の数十倍以上の速度で検査を行う製品の開発加速を図ります。両社のリソースを活用し、AIを活用した検査アルゴリズムを搭載する高速電子線検査装置の迅速な開発を通じて、先端半導体の量産現場への貢献をめざします。
開発体制強化の背景と技術的課題
先端半導体デバイスメーカーでは、2nmノードや2nm以下の先端ロジック半導体製造向け次世代露光技術であるHigh-NA EUVの本格的な量産が開始されています。回路パターン形成後のウェーハ検査において、従来の光学式検査装置では10nm前後の微小欠陥を安定して検査することが難しく、製造歩留まりや製品品質の確保に向けた課題になると予想されています。
また、シングルビーム電子線検査装置は欠陥が発生しやすいパターン領域などを重点的に検査する手法として用いられてきましたが、構造の複雑化やストキャスティック(確率)欠陥の増加によって検査箇所や検査レイヤー数が増加し、量産ラインで求められる検査速度の確保が困難とされています。これに対し、マルチビーム電子線検査装置は検査感度と速度を両立するソリューションとして認識されているほか、光学検査装置では対応が難しい膜中(埋込)欠陥検査や電圧コントラスト(VC)検査への活用も期待されています。
両社の技術融合と実証の進捗
日立ハイテクは、300mmウェーハ対応のインライン計測・検査装置や高精度ステージ、AIによる画像処理技術などを有しています。一方、ZEISS SMTは91本ビームのマルチビームカラム技術(MultiSEM)を展開しています。
両社はそれぞれのプラットフォームと技術を統合し、高感度と高速性を両立した新たなインラインマルチビーム電子線検査装置の開発を進めています。現在は試作機を用いたオンサイトでの評価を開始しており、既存の光学検査装置では検出が難しい微細欠陥を、シングルビーム装置の数十倍の速度で検査できることを実証している段階です。
評価機検証によるPOR獲得と今後の展開
体制強化を通じて、日立ハイテクは計測装置市場で培った顧客ネットワークを活用し、オンサイトでの評価機検証を進める計画です。POR(Process of Record)獲得に向けた量産ウェーハでの検査実証を行い、要求される機能を迅速に提供することで競争力のある製品開発を推進します。
日立のコネクティブインダストリーズ(CI)セクターインダストリアルソリューションビジネスユニットに所属する日立ハイテクでは、フィジカルAIを活用した次世代ソリューション群「HMAX Industry」の提供に寄与し、課題解決やTime to market短縮の実現をめざすとしています。
関連情報・会社概要
関連学会発表
- Surface pre-charging for mitigating imaging issues in multibeam SEM-based semiconductor device defect inspection (SPIE 2025)
- Self-supervised brightness and contrast correction for multibeam SEM defect inspection (SPIE 2026)
- Multibeam inspection tool development for detecting below 10 nm physical defects (FCMN 2026)
株式会社日立ハイテク 概要
- 事業内容:医用分析装置、バイオ関連製品、放射線治療システム、半導体製造・検査装置、分析装置、解析装置の製造・販売、産業・社会インフラ分野向けソリューションの提供
- 連結売上収益:8,217億円(2026年3月期日立ハイテクグループ連結売上収益)
- Webサイト:https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/
ZEISS社 Webサイト
- https://www.zeiss.com/corporate/en/home.html
本記事は株式会社日立ハイテクの発表をもとに作成しました。
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