JVCケンウッド、あさひかわ食べマルシェでAI無線通信ULULA-iの実証実験を実施
株式会社JVCケンウッドは、株式会社エクセリの協力のもと、北海道旭川市内で開催された「北の恵み あさひかわ食べマルシェ2026」において、開発中のAI無線通信ソリューション「ULULA-i(ウルラアイ)」の実証実験を実施しました。生成AIと無線通信を活用し、イベント運営の効率化やリアルタイムな状況把握における有効性を検証しました。現場の音声や映像、マニュアルなどのデータを一元管理し、遠隔地から状況を把握できる環境の提供を目指しています。
IP無線機と生成AIを連携させた実証実験の概要

多くの来場者が集まるイベントにおいて、限られた人員で効率的な運営や状況把握を行うことが課題となるなか、独自の無線通信技術とAI技術の有効性を検証する目的で実験が行われました。
実証実験の対象となった「北の恵み あさひかわ食べマルシェ2026」は、北の恵み あさひかわ食べマルシェ実行委員会(旭川市経済部経済交流課内)が主催し、2026年9月19日(土)~21日(月・祝)に北海道旭川市内の旭川駅前広場や平和通買物公園で開催されました。延べ来場者数は98万4千人規模で、会場では約20台のIP無線機が使用されました。
実験で使用された機材・システムは以下の通りです。
- AI無線通信ソリューション「ULULA-i」(開発中):生成AIと無線通信・音声解析・映像解析の技術をつなぐシステム
- IP無線機「KBX-P51」:デュアルSIMによるLTE接続とWi-Fi接続に対応し、最大3つの通信回線を自動切換可能で、27言語の自動翻訳機能や文字起こし機能(いずれもオプション)を備える端末
音声回答や映像解析など4項目を検証

実証実験では、主に4つの項目について検証が行われました。
- 無線機を通した問い合わせへのAIによる音声回答
スタッフがIP無線機を通じて音声で質問すると、AIがマニュアルやガイドマップを基に出店場所やイベント情報などを検索し、リアルタイムで音声回答することに成功しました。これにより、スタッフが資料を確認する手間を省き、対応の効率化や品質の均一化に有効であることが確認されました。
- カメラ映像を活用したAIによる来場者状況の可視化・分析
会場内のカメラ映像を解析し、人数の把握や混雑状況のアラート通知、天候との関連性を分析しました。今回は設定人数を超える混雑が発生しなかったためアラート通知には至りませんでしたが、日別・時間帯別の人数推移や雨天時との相関関係を可視化し、運営ノウハウの蓄積に寄与することを実証しました。
- 運営本部ダッシュボードによる状況把握
スタッフの位置情報を示す会場地図、無線機の会話ログや直近の会話要約、カメラ映像を一画面に統合表示し、運営本部がリアルタイムで状況を把握できる環境を構築しました。

- 運営レポートの作成
終了後には、問い合わせ内容や発生時刻、混雑推移、次年度への改善事項などをまとめたレポートを作成し、現場状況の可視化と振り返りへの有効性を確認しました。
実用化に向けた今後の展開と協力体制
今回の実証実験では、東京都墨田区に本社を置き代表取締役社長を吉田 統一氏が務める株式会社エクセリが協力しました。同社は旭川市との調整・連携支援やIP無線機・カメラ機材の運用および構築を担当し、株式会社JVCケンウッドが「ULULA-i」の開発を担当しました。
株式会社JVCケンウッドは、得られた知見を踏まえて「ULULA-i」の実用化に向けた開発を加速させる方針です。今後はイベント会場やスタジアム、大型施設に加え、自治体やインフラ、公共施設などへも活用範囲を広げ、新たなコミュニケーションサービスの創出と価値提供を推進していくとしています。
本記事は株式会社JVCケンウッドの発表をもとに作成。
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