将来宇宙輸送システム、電動ポンプ駆動の液体ロケットエンジン燃焼試験で出力60%達成
将来宇宙輸送システム株式会社(東京都中央区、代表取締役:畑田康二郎、以下ISC)は、2026年8月27日から9月9日にかけて、国内ポンプメーカーと共同開発を進める電動ポンプを組み込んだ液体ロケットエンジンの燃焼試験を実施した。電動ポンプを駆動した状態でのエンジン燃焼はISCとして初めての試みであり、これまでの試験で最大となる定格出力60%相当での燃焼に成功した。本年3月に公表した電動ターボポンプ搭載エンジンの着火試験の成功を踏まえ、出力を段階的に引き上げる取り組みの一環として行われた。
燃焼試験の概要と目的
今回の「液体ロケットエンジン 燃焼試験(電動ポンプ駆動)」は、滋賀県高島市 饗庭野地区(旭化成株式会社 あいばの試験所 内)で実施された。
試験の目的は、電動ポンプを駆動してエンジン出力を上昇させ、制御性を確認するとともに、出力増大時におけるエンジンの挙動および各部の状態量を明らかにすることにある。
段階的な出力上昇と検証プロセス
試験では、着火後にポンプ回転数を上げ、安定した燃焼を維持しながら出力を引き上げる制御方法の確立を目指した。
出力は20%、40%、60%と試験を重ねるごとに段階的に引き上げられた。研究・開発プラットフォーム「P4SD」を活用して試験データを高速に可視化・フィードバックしながら、次の試験条件を設定するプロセスを繰り返して進められた。
試験で得られた主な成果
今回の試験により得られた主な成果は以下の通りである。
- ISCとして初となる、電動ポンプによるエンジンの燃焼を実現
- 電動ポンプならではの高い制御性を活かし、様々な条件下で出力を定格まで引き上げていくための設定を明確化
- 出力を20%、40%と段階的に引き上げ、これまでの試験で最大となる出力60%相当での燃焼に成功
- ISCが自社開発するエンジン制御ユニット(ECU)による燃焼制御に成功
- 開発した噴射器・燃焼器に溶損は確認されず、エンジン各部の温度・圧力等の状態量についても設計通りの挙動を確認
今後の見通しと代表コメント
試験の結果を受け、出力を定格まで引き上げるための制御設定が明確になったとしており、今後は得られた結果をもとに定格出力(100%)での燃焼実現を目指すとしている。
ISC代表取締役社長の畑田 康二郎氏は、「再使用型の宇宙輸送システムを実現するために欠かせない再使用の可否を判断するためのデータの蓄積を行うことができました」と述べた上で、次は定格出力での燃焼試験に挑み、再使用型ロケットエンジンの実現に向けて歩みを進める姿勢を示した。
本記事は将来宇宙輸送システム株式会社の発表をもとに作成。
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