名だたる文豪たちの描く「怪作」に酔いしれる『タナトスの蒐集匣』、発売即重版

株式会社新潮社は2024年9月30日、坂口安吾「桜の森の満開の下」、谷崎潤一郎「刺青」、小栗虫太郎「白蟻」、夢野久作「瓶詰地獄」など、近代文学の巨匠たちによる耽美的で幻想的な作品を集めたアンソロジー『タナトスの蒐集匣-耽美幻想作品集-』を新潮文庫nexより発売した。

本書は発売前から大きな話題を呼び、発売からわずか2日で重版となる異例の売れ行きを見せている。特筆すべきは、これまで新潮文庫の近代文学作品の主要読者層であった50~60代男性とは異なり、本書の購買読者の7割を女性が占め、40代以下の女性が全体の半数に上っていることだ。

収録作品は他にも芥川龍之介「影」、泉鏡花「浮舟」、折口信夫「身毒丸」、太宰治「駈込み訴え」、夏目漱石「夢十夜」など、良識や想像力の限界を越えた10編の怪作が並ぶ。おぞましい遊戯に耽る男女、大怪我を負った夫に堕ちてゆく妻、罪深き愛ゆえに裁きを望む幼き兄妹など、名だたる文豪たちが紡ぐ耽美と幻想の世界観に、多くの読者が酔いしれているようだ。

【タイトル】『タナトスの蒐集匣-耽美幻想作品集-』
【著者名】芥川龍之介/泉鏡花/江戸川乱歩/小栗虫太郎/折口信夫/坂口安吾/太宰治/谷崎潤一郎/夏目漱石/夢野久作
【発売日】2024年9月30日
【造本】新潮文庫nex
【定価】737円(税込)

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