NTTアノードエナジーら3社、系統用蓄電池活用の電力供給実証を10月1日開始へ
NTTアノードエナジー株式会社、株式会社JERA Cross、株式会社NTTドコモの3社は、ドコモの通信ビルへのカーボンフリー電力供給に向けて、太陽光発電と系統用蓄電池を組み合わせたHourly Matchingの実証実験を2026年10月1日から開始します。
本実証では、国内で初めて(※3)EnergyTag Standardに準拠し、系統用蓄電池を活用したHourly Matchingを実施します。昨年度に実施した太陽光発電とバイオマス発電による実証実験に続き、再生可能エネルギー由来の電力の有効活用をめざして、蓄電池による時間単位のカーボンフリー電力供給率の向上効果を評価します。
実証実験の背景と目的
近年、再生可能エネルギーの導入が進む一方で、太陽光発電のように発電量が天候や時間帯に左右される電源では、需給の時間的なミスマッチや出力制御の増加が課題となっています。また、GHGプロトコルの見直し議論などを背景に、消費電力量と発電量を1時間単位で一致させて評価するHourly Matchingへの関心が高まっています。

3社は2024年12月から2025年9月まで、ドコモの通信ビル3拠点を対象に非FIT 太陽光発電およびバイオマス発電を用いた実証実験を行い、時間単位のマッチングを確認した一方で、バイオマス発電の定期点検期間中に供給量が不足する時間帯があることを確認しました。
今回の実証実験では、電力供給量が不足する時間帯を補完する手段として蓄電池を使用します。太陽光発電の余剰電力を系統用蓄電池に充電し、発電量が少ない時間帯に放電した場合のカーボンフリー電力供給率の向上効果を検証するほか、電気料金との関係を定量的に評価して経済合理性を踏まえた適用条件を整理します。
実証環境と各社の役割
本実証は、NTTアノードエナジーが所有または調達する西日本エリアの複数の太陽光発電所、1カ所の系統用蓄電所、および同エリアに所在する複数のドコモの通信ビルを組み合わせて実施されます。実績データを活用したシミュレーションによる評価であり、実際の電力供給契約の変更や環境価値の移転を伴うものではありません。
各社の役割は以下の通りです。
- NTT アノードエナジー:太陽光発電および系統用蓄電池のデータ提供ならびに発電・需要予測、系統用蓄電池の充放電計画・運用
- JERA Cross:プラットフォームを活用した時間単位のマッチング評価・可視化および経済性評価
- ドコモ:対象ビルの需要データ提供および需要家視点での課題抽出・実用性評価
時間単位のマッチング評価には、JERA Crossが提携するEnergyTag認定発行機関であるGranular Energy 社のプラットフォームを活用し、EnergyTag Standardに準拠した評価を行います。
今後の展望
NTT アノードエナジーとJERA Crossは、実証実験で得られた知見を活用し、蓄電池の活用によるカーボンフリー電力供給率の向上を通じてカーボンニュートラルの実現と国内のエネルギー自給率向上に貢献していく方針です。
ドコモは需要家として、得られた知見を将来のエネルギー調達の検討に活用し、再生可能エネルギーのさらなる活用を通じて脱炭素社会の実現に貢献するとしています。
注釈・用語説明
- ※1 系統用蓄電池:電力系統に直接接続される蓄電池。
- ※2 Hourly Matching:消費電力量と再生可能エネルギー由来の発電量を1時間単位で一致させる取り組み。
- ※3 2026年9月時点、プレスリリース発信3社調べ。EnergyTag 公式公表資料、国内事業者のプレスリリースおよび業界報道を対象とした調査により、EnergyTag 認定発行機関のプラットフォーム上で系統用蓄電池を対象に含めた国内の取り組みがないことを確認。
- ※4 EnergyTag Standard:EnergyTagが策定した、再生可能エネルギーの発電量と消費電力量を時間単位で正確に紐づけるための国際的な基準。EnergyTagはグラニュラー証明書(GC)の国際標準を策定する国際非営利組織。
- ※5 2026年2月12日発表「24/7(twenty-four seven)カーボンフリー電力供給に向けたHourly Matchingの実証実験を完了~バイオマス発電を用いたHourly Matching の実証は、国内初~」(https://www.ntt-ae.co.jp/site_content/wp-content/uploads/2026/02/NewsRelease_20260212.pdf)
- ※6 蓄電池:蓄電池の充放電機能やその活用効果を総称して示す表記。
- ※7 カーボンフリー電力供給率:需要拠点の消費電力量に対し、同一の1時間内に供給されたカーボンフリー電源由来の電力量が占める割合。太陽光発電所の発電電力量および蓄電所からの放電電力量のうち当該太陽光発電所から充電した電力に相当する分を分子、通信ビルの消費電力量を分母として1時間ごとに算定。
- ※8 非FIT 太陽光発電:固定価格買取制度(FIT)を利用しない太陽光発電。
- ※9 Granular Energy 社:EnergyTagの創設者であるToby Ferenczi 博士が2021年に共同創業者として立ち上げたフランスのスタートアップ企業。2025 年8 月にEnergyTagの認定発行機関(EnergyTag Accredited GC Issuer)となっている。
参加各社の概要
- NTT アノードエナジー株式会社(企業ホームページ:https://www.ntt-ae.co.jp/)
- 株式会社JERA Cross(企業ホームページ:https://www.jera-cross.com/)
- 株式会社NTTドコモ(企業ホームページ:https://www.docomo.ne.jp/)
本記事はNTTアノードエナジー株式会社、株式会社JERA Cross、株式会社NTTドコモの発表をもとに作成されています。
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