GMOグローバル、AIでドローンリスク低減へ

GMOグローバルサイン・ホールディングス(以下、GMOグローバルサイン・HD)は、2024年4月からAIを活用したロボティクス・ドローンの動作ログ解析の実証実験を開始すると発表した。これは、ロボット・ドローンの動作ログに機械学習とディープラーニング技術を用いた高度なAI解析を行い、故障リスクやセキュリティリスクを管理し、運用効率を向上させ、事業リスクを低減することを目指すものだ。

ロボティクス技術の進歩により、ドローンや建設機械、危険地域での作業ロボット、配膳ロボットなど、遠隔操作や自律稼働するロボットの利用範囲が拡大している。その一方で、これらのロボット・ドローンへの依存度が高まるにつれ、故障やセキュリティインシデントにより稼働不能になった場合の事業への影響も大きくなっている。そこで、GMOグローバルサイン・HDは、ロボット・ドローンの故障リスクやセキュリティリスクの管理の最適化と運用効率の向上によって事業リスクを低減することを目指し、実証実験を開始することにした。

具体的には、ドローン関連企業の技術連携を目指す「ドローンオープンプラットフォームProject」に参画し、空中ドローンについて、飛行中にセンサー等から収集されたログデータを解析し、ドローンの故障リスクの予測などを行う。その後、陸上ドローン(ローバー)や自動走行ロボット、水中/水上ドローンに対象を広げ、最終的にはドローン以外のロボットにもログの収集・解析の対象を広げる予定だ。

分析結果は、ロボット・ドローンメーカー、物流・製造・設備点検およびサービス事業者、損害保険会社などの事業者に提供することを見込んでいる。これにより、故障・動作不良予測やセキュリティリスクの発見、保険料率算定の精度向上および企業の事業リスクをカバーする保険商品の企画などに活用されることが期待される。

GMOグローバルサイン・HDは、この実証実験を通じて、ロボット・ドローンを安心して利用できる社会を実現し、この分野のビジネスのさらなる発展に貢献するとしている。同社は、電子認証事業およびホスティング事業から、AI・IoTのテクノロジーを活用したサービスの提供まで行っているIT企業で、これまでにドローンやIoTに関するセキュリティの知見を活かしてきた。