VOCs DeepTech Lab、慶大と京大の肝疾患検出特許で独占的通常実施権を取得
VOCs DeepTech Lab株式会社は、学校法人慶應義塾および国立大学法人京都大学が共同で保有する「肝疾患の検出方法」に関する知的財産について、独占的通常実施権を取得しました。対象となる技術は、呼気ガス中の揮発性酸化脂質を指標として肝疾患の検出を補助するものです。同社は本実施権を基盤として大学の研究成果の社会実装につなげ、呼気中の揮発性有機化合物(VOCs)を活用した非侵襲評価サービスの事業化を進める方針です。
呼気中の揮発性酸化脂質を活用する検出技術
呼気には、体内の代謝や酸化反応などに由来する多様な揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:VOCs)が含まれており、呼気中の分子情報から疾患や身体状態の変化を捉える研究が進められています。慶應義塾大学や京都大学などの研究グループは、鉄依存性の細胞死であるフェロトーシスに伴って生じる揮発性酸化脂質に着目し、呼気中の揮発性分子と肝疾患との関連について研究を重ねてきました。2025年9月には、フェロトーシスに伴う揮発性酸化脂質を呼気バイオマーカーとして捉える研究成果が公表されています。
本技術は、被験者から採取した呼気ガス中の揮発性酸化脂質を検出し、その情報を肝疾患の検出補助に用いることを目的としています。呼気は採血や組織採取と比べて身体への負担が少なく採取できる利点があります。なお、現時点で既存の検査や医師による診断を代替するものではなく、臨床的有用性については今後の検証が必要とされています。また、公開特許には肝疾患治療薬の候補を評価するスクリーニング方法に関する技術も記載されています。
取得した特許とライセンスの概要
今回取得した独占的通常実施権は、対象特許の存続期間にわたるもので、第三者への再実施許諾(サブライセンス)が認められています。契約上、対象となる権利について権利者から第三者へのライセンスは行われない条件となっています。
対象となる知的財産の概要は以下の通りです。
- 発明の名称:肝疾患の検出方法
- 出願番号:特願2023-202279号
- 出願日:2023年11月29日
- 公開番号:特開2025-087542号
- 出願人:学校法人慶應義塾、国立大学法人京都大学
- 実施権者:VOCs DeepTech Lab株式会社
- 権利の種類:独占的通常実施権
- 対象地域:日本(※契約上の対象範囲等については大学側との確認を踏まえて最終決定)
- 期間:対象特許の存続期間まで
- 再実施許諾:第三者への再実施許諾(サブライセンス)可能
共同研究を通じた臨床検証と今後の展望
VOCs DeepTech Lab株式会社は、慶應義塾大学との共同研究「呼気ガスの揮発性有機化合物センシングシステムの開発」を通じて、肝疾患患者などを対象とした呼気VOCsに関する臨床的な検証を進めています。共同研究による科学的検証と、本実施権に基づく事業化・社会実装の取り組みをそれぞれ進めながら、実用化の可能性を検討していくとしています。
同社代表は、大学・医療機関の研究者と連携し、科学的な信頼性を最優先に呼気を用いた新たな非侵襲評価技術の実現を目指していく旨のコメントを出しています。
会社概要
- 会社名:VOCs DeepTech Lab株式会社
- 所在地:〒160-0016 東京都新宿区信濃町35 慶應義塾大学 信濃町キャンパス2号館9階
- 事業内容:呼気VOCsに関する研究開発、解析技術および社会実装
- お問合せ窓口:経営企画室(Email:info@vocs-deeptech.com)
本記事はVOCs DeepTech Lab株式会社の発表をもとに作成されています。

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