IBMとESPN、AIを活用で次世代のファンタジー・フットボール体験を提供

IBMとESPNは、IBMのAIプラットフォーム「watsonx」の生成AI技術を活用し、ESPNファンタジー・アプリの機能を強化すると発表した。この機能強化により、1,200万人以上のファンタジー・フットボール・ユーザーに、よりパーソナライズされた魅力的なデジタル体験を提供することを目指している。

IBMとMorning Consult社が実施した調査によると、ファンタジー・フットボール・ユーザーの間で、AIを活用してチームのパフォーマンスや全体的な体験を向上させる傾向が強まっていることが明らかになった。調査対象者の90%近くが定期的にAIツールを使用しており、82%がファンタジーのラインナップ改善のためにトレードやウェイバーの提案を活用していると回答した。

今回の機能強化では、IBMの大規模言語モデル「Granite」を使用して、ウェイバー・グレードとトレード・グレード機能内の「Top Contributing Factors(上位貢献要因)」を提供。これにより、割り当てられた選手のグレードに関するより詳細な理由を表示できるようになった。グレード自体は、選手のパフォーマンスや専門家の記事、各ファンタジー・オーナーのチーム特性など、大量の複雑なデータを考慮して作成される。

IBMのノア・サイケン氏は、「今年のESPNファンタジー・プラットフォームの強化により、watsonxを活用したインサイトがユーザーに直接届き、パーソナライズされたデータ主導のインサイトにアクセスできるようになる」と述べている。また、「IBM Graniteを含むwatsonxの生成AI技術は、あらゆる業界のビジネスでも活用されており、複雑な情報を実用的なインサイトに変え、ワークフローの近代化を推進している」と説明した。

IBMとESPNのコラボレーションは8年目を迎え、最新のAI技術を活用してフットボール関連データをファンタジー・チームのオーナーにとって有益な情報に変換し続けている。今回の機能強化により、ファンタジー・フットボール・ユーザーは、AIが生成する選手のグレードや詳細な説明、潜在的なアップサイドとダウンサイドの予測などを通じて、より情報に基づいた意思決定を行うことができるようになるだろう。