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ITCとDHLが覚書締結 中小企業や女性経営企業の海外展開支援を強化

国際貿易センター(ITC)とDHLは16日、中小企業、なかでも女性が経営する企業の海外展開を後押しするため、協力関係をさらに強化する覚書(MOU)を締結したと発表した。

ITCが持つ市場調査や中小企業育成、包摂的な貿易促進のノウハウと、DHLの世界的な物流ネットワークや技術力を組み合わせる。世界の企業数の約9割、雇用の約7割、GDPの7割を生み出す中小企業が抱える海外取引の課題を取り除き、新たな商機をつかめるよう支援体制を強化する。

覚書に基づく3つの重点取り組み

今回の覚書に基づき、両者は以下の3分野に取り組む。

  • 輸出やサプライチェーン、物流の面から中小企業の海外取引を支援する
  • 中小企業支援団体やITCの「SheTradesハブ」と連携し、中小企業・女性経営企業向けサービスを充実させる
  • 国際会議やハイレベルの場、官民との対話を通じて、中小企業や女性起業家の声を代弁する

ITC事務局長のパメラ コーク=ハミルトン氏は、中小企業にとっての壁は良い商品を作ることではなく顧客の手元に届けることにあるとし、DHLとの協力を深めて女性経営企業がラストマイル物流の壁を越え、意思決定の場でも声を届けられるよう後押ししていくと述べている。

また、DHL Expressサハラ以南アフリカ CEOのヘニー ハイマンスは、中小企業が国際貿易に参加するためには知識や資金、デジタル活用力、物流サポートへのアクセスが必要であるとし、適切なパートナーシップを通じて企業が成長し国際貿易の恩恵を引き出せるエコシステムをつくっていくとしている。

10年におよぶ協力関係と各プログラムの実績

両者はこの10年、「DHL GoTrade」「ITC SheTrades」「ITC ecomConnect」の3つのプログラムを通じて協力を重ね、アフリカやASEAN、中南米・カリブ地域を中心に60カ国以上の中小企業を支援してきた。研修や配送支援に加え、国際貿易の場における提言活動も行っており、2025年7月には南アフリカ・ヨハネスブルグで開かれたITC初の「グローバルSME閣僚級会合」にDHLが民間セクターの代表として参加した。

2016年以降の包摂的な貿易推進における主な実績は以下の通り。

  • DHL GoTrade:2021年以降、60カ国以上でプロジェクトを展開し、物流・EC・貿易に関する研修を通じて26,000社を超える中小企業、8,000社を超える女性経営企業を支援。
  • ITC SheTrades:2018年以降、ITC SheTradesとDHLが連携し、女性経営企業に技術支援や物流ノウハウ、配送ソリューションを提供。60カ国で4,000社を超える女性経営企業を支援。ケニア、南アフリカ、モーリシャス、トリニダード・トバゴの各SheTradesハブとも連携し、地域に根差した支援を広げている。
  • ITC ecomConnect:2020年から2024年にかけて、400社を超える中小企業とDHLの支援を結びつけ、一部の市場では配送コストを最大60%削減する優遇プログラムなどを提供。

関連組織・プログラムの概要

  • 国際貿易センター(ITC):世界貿易機関(WTO)と国連(UN)が共同で設立した機関。開発途上国・移行経済国の中小企業が国際市場での競争力を高められるよう支援し、「貿易のための援助(Aid for Trade)」アジェンダおよび国連の持続可能な開発目標(SDGs)の枠組みの中で、持続可能な経済発展に貢献する。
  • SheTrades Initiative:国際貿易センターが手掛ける女性と貿易に関するプログラム。女性や企業支援団体、政策立案者、バリューチェーンの関係者と連携し、女性が貿易に参加し、その恩恵を受けられるよう、人材・エコシステム・政策の強化に取り組む。

本記事は国際貿易センター(ITC)およびDHLの発表をもとに作成。

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