GMOグローバルサイン・HDとVESS Labs、AI取引の身元と権限確認を実証
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社と株式会社VESS Labsは、企業を越えてAIエージェント同士が取引を行う際に必要となる「身元と権限」を確認する仕組みを共同で設計し、実証を行いました。
本実証では、発行者による電子署名で改ざんの有無などを確認できるデジタル証明書技術「VC(Verifiable Credentials/検証可能なデジタル証明書)」を活用しています。買い手側と売り手側のAIエージェントを接続し、相互の身元や権限、人の購入承認を確認したうえで、発注から模擬的な支払い処理への連携までの一連の流れが正しく動作することを確認しました。
両社は実証成果をまとめた共同研究レポートを2026年9月24日(木)に公開したほか、2026年10月14日(水)には関連イベントを開催します。
実証実験の背景と目的
生成AIの進化に伴い、外部サービスを利用して検索や予約、発注、決済などを実行する「AIエージェント」の開発が進んでいます。将来的には企業間の取引をAIエージェント同士が代行することも想定されていますが、安全な取引のためには「取引先企業に属する正当なAIエージェントか」「発注権限が与えられているか」「誰の指示と権限に基づく取引か」を確認する仕組みが求められます。
あらかじめ相手を登録しておく「Allowlist(許可リスト)」方式では、取引相手が増えた場合に全件を事前管理することが困難になります。そこで両社は、取引の都度相手システムへ問い合わせることなく、その場で身元や権限を確認できるVCを活用した仕組みを検証しました。実証期間は2026年4月~9月で、AIエージェント間の相互認証と人の承認に基づく取引の正当性確認を対象としました。
実証実験で確認された主な成果
実証実験では、主に以下の成果が確認されました。
- 異なる企業が独立開発したAIエージェント同士の接続:GMOグローバルサイン・HDが買い手側、VESS Labsが売り手側のAIエージェントをそれぞれ開発し、共通の仕組みに基づいて接続できることを確認しました。
- 身元・権限確認から模擬支払いまでの一連の動作:相互の身元や権限、人による購入承認を確認後、商品発注から模擬的な支払い処理まで進められることを確認しました(実際の決済や商取引は行わず、模擬環境で検証)。
- 権限委譲の追跡機能:「誰が、誰に、どの範囲まで権限を与えたか」を後から確認できる仕組みを実装し、人が承認した取引内容と発注を結び付けました。
- 不正な認証・操作の拒否:認証情報の使い回しや失効した証明書の利用、購入内容の不正な変更などを拒否できることを確認しました。不正操作を含む281件の自動テストがすべて正常に完了しています(2026年8月28日時点)。
両社は実証で採用した仕組みや知見をまとめた共同研究レポートを各社ウェブサイトで公開しました。レポートは経営層・事業責任者向けのエグゼクティブサマリーと、エンジニア・研究者向けの本編で構成されています。
- GMOグローバルサイン・HD:http://www.gmogshd.com/wp-content/uploads/2026/09/ai-agent-identity-poc-report.pdf
- VESS Labs:https://www.vess.id/news/ai-agent-identity-poc-report

また、AI時代の身元確認や信頼の仕組みをテーマとした共催イベント「AI Agent Trust 2026」が開催されます。
- 名称:AI Agent Trust 2026
- 日時:2026年10月14日(水)17:00開場/17:20開始/20:00懇親会終了予定
- 開催形式:会場開催 / オンライン配信は検討中
- 会場:〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-22-6 幸和ビル3階 ふれあい会議室 渋谷No77
- 主催:GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社/株式会社VESS Labs
- 対象:行政・自治体、教育機関、企業DX、AI責任者、SIer、SaaS・AI事業者、セキュリティ/ID関係者など
- 定員:会場100名(オンラインは検討中)
- 主な内容:デジタル庁による講演/共同研究成果発表/パネルディスカッション/懇親会
- セミナー詳細・申込URL:https://peatix.com/event/5167709/
今後の展開
両社は今後、AIエージェント同士の商取引に関するオープンな標準仕様への対応や、一定条件下でAIが自律的に取引できる仕組みの検討を進めます。さらに、電子証明書の発行や本人確認・年齢確認を伴う取引、複数の人・組織・AIエージェントをまたぐ権限引き継ぎなど、幅広いユースケースへの応用を検討するとともに、関連する標準化コミュニティの議論にも実証成果を反映していく方針です。
発表各社の概要
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社(東証プライム市場 証券コード:3788)は、代表取締役社長を青山 満が務め、東京都渋谷区桜丘町26番1号 セルリアンタワーに所在地を置きます。資本金は9億1,690万円で、電子認証・印鑑事業、クラウドインフラ事業、DX事業を展開しています。
株式会社VESS Labsは、代表取締役を藤森 侃太郎が務め、東京都渋谷区神南1-23-14 リージャス渋谷公園通りセンターに所在地を置きます。資本金は1,200万円で、DID(特定の管理者に依存せず、一意性を保つ識別子)およびVCを活用したデジタル証明基盤の開発や、WalletおよびAIエージェント向けIdentity Layerの開発・提供などを手掛けています。
本記事はGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社および株式会社VESS Labsの発表をもとに作成されています。
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