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スペースシードHDと岐阜大、宇宙飛行での遺伝子変化を逆転する海藻成分8物質を抽出

スペースシードホールディングス株式会社(SS-HD)と岐阜大学は、公開データベースを活用し、宇宙飛行に伴うヒトの血液中の遺伝子発現の変化を逆方向に変化させる可能性のある海藻由来成分の探索を行いました。解析の結果、今後の実験検証の候補となる8物質を抽出しました。研究分野の異なる3つの公開データベースの情報を照合・統合する工程には生成AIが活用されています。

生成AIを活用した公開データベースの統合解析

宇宙空間での滞在が生体に老化と共通する特徴を持つ変化を引き起こすことから、その影響を軽減する食品やサプリメントの開発が期待されています。本解析では、海藻由来成分の情報や細胞への化合物添加時のデータ、宇宙飛行前後の生体データという異なる体系で管理された情報を照合するため、生成AIを活用してデータ処理系を構築しました。

解析には以下の3つの公開データベースが使用されました。

  • SWMD(Seaweed Metabolite Database):海藻に含まれる代謝物情報1,191件のレコード
  • CIGS(Chemical-Induced Gene Signature):MCE由来の11,356化合物とTCM由来の1,865化合物の計13,221化合物に対する3,407遺伝子の発現データ(対象細胞株はHEK293TおよびMDA-MB-231)
  • NASA OSD-53 / GEO GSE47126:宇宙飛行士6名(男性4名、女性2名)の打ち上げ10日前と帰還直後の全血遺伝子発現データ

化合物名を大文字に統一して英数字以外の文字を除去し、文字列が完全一致する15レコードから重複を除いた8物質を特定しました。また、宇宙飛行前後で調整済みp値が0.05未満の有意な変化を示した11遺伝子のうち、CIGSで測定対象となっている10遺伝子を抽出して比較を行いました。

宇宙飛行ストレス関連遺伝子と候補となる8物質

宇宙飛行前後に有意な変化が認められた11遺伝子には、DNA修復に関わるERCC5、LIG4、TDG、TOP1、XRCC1、分子シャペロンに関連するBAG1、HSP90AB1、HSPB1、酸化ストレス応答に関わるGPX1、MGST1などが含まれています。これらは宇宙飛行に伴うストレス応答に関連する遺伝子群であり、老化特異的な遺伝子セットではないため、本解析結果のみで抗老化作用があると判断することはできません。

照合によって得られた8物質と、遺伝子発現の変化を逆転させた結果は以下の通りです。

  • Apigenin(アピゲニン)
  • Cholesterol(コレステロール)
  • Fucosterol(フコステロール)
  • Fucoxanthin(フコキサンチン)
  • Phytol(フィトール)
  • Protocatechualdehyde(プロトカテクアルデヒド)
  • Stigmasterol(スチグマステロール)
  • Vanillin(バニリン)

対象10遺伝子のうち最も多くの遺伝子で逆方向の変化が認められたのはStigmasterol(スチグマステロール)で、HEK293T細胞において7遺伝子でした。次いでFucoxanthin(フコキサンチン)、Phytol(フィトール)、Protocatechualdehyde(プロトカテクアルデヒド)、Vanillin(バニリン)がそれぞれ6遺伝子で逆方向の変化を示しました。

候補物質のうちFucoxanthin(フコキサンチン)は海藻に特徴的に含まれるカロテノイドの一種であり、素材開発に向けた候補の一つとされています。一方で、最多の逆変化を示したスチグマステロールなどのステロール類は生物界に広く分布しています。また、Vanillin(バニリン)ではMDA-MB-231細胞で6遺伝子、HEK293T細胞で5遺伝子と、細胞株により結果が異なることも確認されました。

なお、今回の結果は実験検証の優先順位を検討するための探索的なものであり、ヒトにおける有効性や安全性、食品への配合可否を示すものではありません。本研究成果は、2026年8月19日にマレーシアのSunway Universityで開催されたLeave a Nest Malaysia主催の国際会議「Global Algae Summit 2026」(テーマ:The Algae Frontier: Catalysing Value and Impact)でポスター発表されました。

今後はCIGSと同じ細胞株での濃度や処理時間による変化の確認や、qPCRやRNA-seqによる10遺伝子の再測定、末梢血単核球や血管内皮細胞などを用いた検証、食品応用へ向けた安全性や安定性の評価などを進める方針です。

スペースシードホールディングス株式会社は、東京都港区に本社を置き、代表取締役CEOを鈴木健吾が務める宇宙系ディープテックベンチャービルダーです。

  • ミッション:「SFをノンフィクションにする」
  • 主な事業:投資活動、研究活動、事業創出、「Fermentation and Longevity Fund」プログラムの運用など
  • 目標:2040年までに人類が宇宙空間で居住するのに必要な技術を揃えることを目指す
  • 公式サイト:https://ss-hd.co.jp/

本記事はスペースシードホールディングス株式会社の発表をもとに作成されています。

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