泊まれる「中銀カプセル」が2024年秋に誕生予定

2024年秋、神奈川県横須賀市に世界で唯一「中銀カプセルに泊まれる」施設が誕生する予定だ。このプロジェクトは、株式会社エンジョイワークスが手掛けるもので、建築家・黒川紀章氏が設計した中銀カプセルタワービルの解体後のオリジナルカプセルをデザインするクリエイターを募集している。

中銀カプセルタワービルは、1972年に黒川紀章氏が設計した集合住宅で、2022年に解体された。解体後、23個のカプセルが「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」により保存・修復され、国内外の商業施設や美術館で展示されている。これらのカプセルを、横須賀市の「長井海の手公園ソレイユの丘」に設置し、宿泊施設として活用する計画だ。

このプロジェクトでは、カプセルの内装デザインを担当するクリエイターや企業を募集している。カプセルは、幅2.7m×奥行4.2m×高さ2.55mの白いシンプルな箱で、丸窓が特徴。なお、竣工当時のデザインを復元するカプセルも検討中だ。

応募期間は2024年4月9日から4月30日までで、提案作品の提出〆切は2024年5月15日。結果発表は5月31日までに行われる予定だ。

このプロジェクトは、空き家や遊休不動産の再生に特化したエンジョイワークスの自社プラットフォーム「ハロー! RENOVATION」を活用している。また、事業の資金調達の方法として、エンジョイワークスが運営する地域活性ローカルファンド「ハロー!RENOVATION」も活用する予定だ。

中銀カプセルの再生(宿泊施設への転用)は、遊休資産の活用だけでなく、設置場所(自治体)への誘客や活性化につながるものと考えられている。また、横須賀市内では、このほかにも、ファンドを活用した地域再生に取り組んでいる。

なお、「ハロー! RENOVATION」は2023年に国土交通省「第1回 地域価値を共創する不動産業アワード」のアワード大賞を受賞している。