林業支援アプリ「WoodRepo」、金沢市と能登森林組合で導入
株式会社エイブルコンピュータが開発したAIによる林業支援システム「WoodRepo」が、金沢市と能登森林組合で利用開始となった。
同社は2003年より森林の材積量を推定するアプリの開発を開始。2018年からは石川県農林総合研究センター、石川県森林組合連合会および金沢工業大学と協力し、画像AIを用いた林業支援アプリの開発を行ってきた。今回のリリースは、前年にリリースした石川県版を強化し全国へ展開できるようにしたもの。秋田、福島、愛知、京都および山口の林業事業体の協力を得て、全国の森林に対応するAIを学習させた。
WoodRepoの特徴は、UAVで撮影した空中写真から作成したオルソ化画像をアップロードすると樹種を自動で判定し色分けした画像を表示すること。また、アプリ上で境界の作図作業ができる環境を提供。360°カメラ画像をアップロードすると、撮影された場所の周囲の材積量や原木等級の割合をAIが推定する。
金沢市は市営造林事業において立木評価にWoodRepoを利用。市内森林全域を対象に航空LiDAR計測を行い、市営造林地に対してゾーニングを行った結果、経済的な施業が可能とされた森林を売り払うにあたり、立木状態での評価が必要となったためだ。
能登森林組合は石川県森林組合連合会と協力して、森林施業のために必要となる材積量を推定するにはどの方法が良いのかについて評価を行うことなり、WoodRepoについても評価の対象とする。
気候変動や国際的な森林資源の保護政策などを背景に、日本国内の森林資源の有効活用が求められる中、林業労働者の減少や森林所有者の林業ばなれが深刻化。森林の境界の明確化や材積量の適切な見積もりが重要な課題となっており、WoodRepoはこれらの課題に応えるべく開発されたアプリだ。