川西市、中学生の放課後学習を支援
兵庫県川西市は、家庭の状況や地域格差によらない中学生の学力向上を目的とした放課後学習支援事業を2024年8月19日から開始した。市内在住の全中学生を対象に7月に募集を行ったところ、500名近くの参加希望があった。
市内の全中学校を会場とし、夏休みや冬休みも含めて3月まで無料で実施される。生徒たちは自身に合った教材をもとに自主学習を進めながら、わからないところは指導員に質問や相談ができる。
川西市ではこれまでも、教室での学びの他に「校内サポートルーム」や「学びのスペース セオリア」など、子どもたちの学びの選択肢を増やすための教育支援を行ってきた。今回の事業は、様々な理由や背景から学習に不安を持つ中学生を対象としている。
学習支援は民間事業者の株式会社サクシード(東京都新宿区)に委託し、事前の学力診断テストと面談により、生徒一人ひとりのレベルに応じた学習教材の提供を行う。学力格差の解消や基礎学力の定着、生徒の自己有用感の向上が期待される。
参加した明峰中学校3年の生徒は、「高校受験が近づいてきているなか、普段塾に行っておらず、わからないところをなかなか聞くことができないでいた。質問する機会ができたし、先生の説明もわかりやすく、ありがたい」と話した。
川西市の取り組みは、家庭環境や地域に関わらず、全ての中学生に学びの機会を提供するものであり、教育の公平性を高める試みとして注目される。