日本の55~64歳就業率はG7最高も長く働き続けられる社会指数は4位
フィデリティ・インターナショナルは、長く働くことが個人、企業、経済にもたらす可能性を探るレポート『まだ終わらない。長く働くことの可能性(Not Done Yet: Unlocking the opportunity of longer working lives*)』を発表しました。調査の結果、日本の55~64歳就業率は80%とG7で最も高い水準となった一方、55歳以上の人々がどの程度働き続けられる環境にあるかを評価した「長く働き続けられる社会指数(Fidelity Longer Working Lives Index)」では総合4位となりました。今回の結果は、多くの人が働いていることと、長く働き続けられる環境が整っていることが必ずしも同じではないことを示しています。
就業参加で高評価も仕事の質や柔軟性などに課題
「長く働き続けられる社会指数」は、就業率だけでなく、高年齢層が長く働き続けられる環境や背景要因、本人の希望による選択か経済的必要性によるものかという観点を含めて評価するものです。「働けるか(Work Capability)」「働きたいか(Work Choice & Motivation)」「就業参加(Participation in Work)」「仕事の質(Work Quality)」の4つの観点から構成されています。
日本は「就業参加」で高い評価を獲得したものの、55歳以上の回答者が認識する働き方の柔軟性はG7で最も低い評価となりました。さらに、55~64歳の仕事に関連する研修・トレーニングへの参加率もG7で最低水準にとどまり、「Work Capability(働けるか)」および「Work Quality(仕事の質)」は相対的に低い評価となっています。また、退職後の生活設計について他のG7諸国と比較して自信があると回答した割合も相対的に低い結果となりました。

各国の強みは異なり単一のモデルは存在せず
今回の総合順位では、イタリアが1位、米国が2位、カナダが3位となりました。ただし、各国が高く評価された背景は一様ではなく、G7各国はそれぞれ異なる項目で強みを示しており、すべての評価項目で高い評価を得ている国はありませんでした。日本が「就業参加」で高い評価を得たように各国に異なる特徴が見られ、長く働き続けられる社会の実現に向けた単一のモデルは存在しないことが示されています。
フィデリティ投信株式会社の資産形成研究室長である畔柳 淳は、高齢者就業率の高さだけでは長く働き続けられる環境の全体像を捉えられないとし、「人生100年時代において重要なのは、『どれだけ長く働けるか』ではなく、『望む形で長く働けるか』ではないでしょうか」とコメントしています。
人生100年時代における働き方と退職準備
レポートでは、想定していた働き方や退職時期が必ずしも計画どおりになるとは限らないことや、退職が一度きりの出来事ではなく、働き方や収入源が変化しながら移行していくプロセスになりつつあると指摘しています。
人生100年時代において、長く働くことを希望する人々を支えることは将来設計や退職準備における重要なテーマです。将来の生活設計を考える上では、退職後の備えだけでなく、どのような働き方を望み、どのくらいの期間働き続けたいかという視点も含め、長く働くことと退職準備が相互に関わるテーマとなっています。
調査および会社概要
- 調査レポート:フィデリティ・インターナショナル「Not Done Yet: Unlocking the opportunity of longer working lives(まだ終わらない。長く働くことの可能性)」
- 対象国:G7諸国(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国)
- 評価指標:4観点・計12指標(フィデリティ・グローバル・センチメント・サーベイ、OECD、WHOのデータを基に、クリス・パーシー博士ならびにウォーリック大学のディアドラ・ヒューズ准教授(OBE)との協力により開発)
- フィデリティ投信株式会社:公募投資信託の純資産残高は約7兆2,655億円(2025年12月末日現在)
- フィデリティ・インターナショナル:運用管理総資産額は約170.2兆円(1兆860億ドル)、運用総資産額(AUM)は約119.2兆円(7,606 億ドル、2025年12月末日現在。為替レートは156.74円で算出)
本記事はフィデリティ・インターナショナルの発表をもとに作成されています。
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