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クラリベイト、2026年引用栄誉賞を発表 日本の安達千波矢氏ら22名が選出

情報サービスプロバイダーのClarivate Plcは2026年9月17日、2026年のクラリベイト引用栄誉賞(Citation Laureates)を発表しました。同社のInstitute for Scientific Information(ISI)のアナリストにより、ノーベル賞級の研究成果を挙げた22名の研究者が選出されています。日本からは、九州大学の安達千波矢氏が物理学分野で選ばれました。

GLP-1医薬品の基盤発見など社会に貢献する研究を評価

今年の受賞者は、生理学・医学、物理学、化学、経済学の各分野において、科学的知見の発展に貢献した研究者が選ばれています。

特に注目される成果の一つとして、Daniel J. Drucker氏、Jens Juul Holst氏、Svetlana Mojsov氏の3名によるGLP-1医薬品の基盤となった科学的発見が挙げられています。この基礎研究はGLP-1受容体作動薬の実用化を可能にし、世界中で何百万人もの糖尿病および肥満患者の治療に変革をもたらしたとされています。

世界7つの国・地域から選出、日本からは九州大学の安達千波矢氏

2026年の受賞者は7つの国・地域の主要な研究機関に所属しており、内訳は米国が16名、カナダ、デンマーク、イスラエル、日本、中国本土、スイスからそれぞれ1名となっています。

物理学分野では、九州大学 工学研究院 応用化学部門最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA)の安達千波矢氏が、Stephen R. Forrest氏、Mark E. Thompson氏とともに選出されました。超高効率の有機発光ダイオードを可能にした、リン光有機発光ダイオード(PHOLED)および熱活性化遅延蛍光(TADF)に関する先駆的研究が評価されています。

被引用数が上位0.02%未満の論文データを基に選定

クラリベイト引用栄誉賞は、Web of Science Core Collectionに収録された出版物と引用データを活用して選出されます。1970年以降にWeb of Scienceに索引付けされた6,700万報を超える論文や会議録のうち、2,000回以上引用されたものは0.02%未満であり、この卓越した研究成果から厳密な被引用分析と専門家の洞察に基づいて候補者が特定されています。

同賞は特定の年のノーベル賞受賞者を予測するものではなく、ノーベル賞級の業績を持つ研究者を顕彰するものですが、選定開始以来、89名の受賞者が後にノーベル賞を受賞しています。

2026年クラリベイト引用栄誉賞の受賞者一覧

各分野における受賞者と受賞理由は以下の通りです。

生理学・医学

  • Daniel J. Drucker(シナイ・ヘルス ルーネンフェルド・タネンバウム研究所/トロント大学、カナダ)、Jens Juul Holst(コペンハーゲン大学、デンマーク)、Svetlana Mojsov(ロックフェラー大学、米国)

グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の発見とその機能の解明、ならびに生物学的作用に関する研究に対して

  • James G. Fujimoto(マサチューセッツ工科大学、米国)、David Huang(オレゴン健康科学大学、米国)、Eric A. Swanson(マサチューセッツ工科大学、米国)

医学、生物医学研究およびその他の分野における新たな画像診断技術である光干渉断層計(Optical Coherence Tomography: OCT)の開発に対して

  • Timothy A. Springer(ハーバード大学、米国)

免疫系において重要な役割を果たす細胞接着受容体の発見に対して

物理学

  • 安達 千波矢(九州大学 工学研究院 応用化学部門最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA)、日本)、Stephen R. Forrest(ミシガン大学、米国)、Mark E. Thompson(南カリフォルニア大学、米国)

リン光有機発光ダイオード(PHOLED)および熱活性化遅延蛍光(TADF)に関する先駆的研究により、超高効率の有機発光ダイオードを可能にしたことに対して

  • Nicola A. Spaldin(スイス連邦工科大学チューリッヒ校、スイス)

エネルギー効率に優れた新しいデバイスの実現につながる、室温動作の磁気電気マルチフェロイクスに関する基礎理論の発展に対して

  • Qikun Xue(清華大学、中国本土)

量子異常ホール効果の実験的観測に対して

化学

  • David L. Allara(ペンシルベニア州立大学、米国)、Ralph G. Nuzzo(イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校、米国)、Jacob Sagiv(ワイツマン科学研究所、イスラエル)

自己組織化単分子(SAMS)の開発に対して

  • Harry B. Gray(カリフォルニア工科大学、米国)、Jay R. Winkler(カリフォルニア工科大学、米国)

タンパク質内で起こる長距離電子移動の仕組みの解明に貢献した研究に対して

  • David R. Liu(ハーバード大学、米国)

生体内のDNAを直接編集する精密な遺伝子編集技術であるベースエディティングおよびプライムエディティングの開発により、生命科学に革命をもたらすとともに、人命を救うプログラム可能な医薬品を可能にした功績に対して

経済学

  • Susan C. Athey(スタンフォード大学、米国)、Hal R. Varian(Google/カリフォルニア大学バークレー校、米国)

情報技術の経済学に関する先駆的な研究に対して

  • Michael D. Woodford(コロンビア大学、米国)

金融政策の理論と実務への貢献に対して

  • Sidney G. Winter(ペンシルベニア大学、米国)

進化論に着想を得た経済活力および組織行動に関する研究に対して

本記事はClarivateの発表をもとに作成されています。

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