サスメド、ブロックチェーン用いた治験の医薬品で世界初の製造販売承認を取得
サスメド株式会社(東京都中央区、代表取締役社長:上野 太郎)は、ブロックチェーン技術を活用した臨床試験システム「SUSMED SourceDataSync®」(以下「SUSMED SDS」)を用いて治験が実施された医薬品について、製造販売承認が取得されたと発表しました。
ブロックチェーン技術を用いた企業治験の結果に基づく医薬品の承認取得は、同社の調査(PubMed、ClinicalTrials.gov、EU Clinical Trials Registerその他リサーチツールに基づく)によると世界初となります。
医薬品開発における課題と背景
医薬品の研究開発費は世界的に高騰を続けており、過去10年で年率8.5%程度のペースで増加しています。その要因として研究開発の高度化や治験要件の複雑化などが挙げられ、国内においては治験のルールであるGCP省令への労働集約的かつオーバークオリティな対応が指摘されています。また、臨床開発モニター1名が担当する治験実施医療機関数は米国の1/3に留まるとも報告されており、開発コストの増加などに伴うドラッグ・ラグ/ロスが課題となっています。
近年、医薬品の治験実施の国際基準であるICH-E6(R3)において、臨床試験品質を試験計画段階から設計し、試験を通じて維持・改善するものとして捉えるQuality by Design(QbD)の考え方が示されており、新薬開発の生産性向上や高品質化が求められています。
サスメド株式会社のSUSMED SDSは、医療機関で取得する医療データと症例報告書データをブロックチェーン技術で結合させ、データ入力業務やモニタリング業務の削減を可能とするシステムです。内閣官房規制のサンドボックス制度による実証試験を経て、産業競争力強化法によるグレーゾーン解消制度に基づき、ブロックチェーン技術を利用したデータ照合作業の代替がGCP省令上も認められる旨の通知が2020年12月4日付で厚生労働省から発出されました。
AMEDの研究開発推進ネットワーク事業における従来の治験フローとの比較検証では、モニタリング工数が45.9%減少、医療機関の工数が32.0%減少、データ確認や修正依頼などを目的とするクエリ数も46.7%減少することが示されています。また、2022年に国際製薬技術協会(ISPE)が発行したGAMP5 2nd Editionにおいても、データの信頼性を高める技術としてブロックチェーン技術が掲載されています。
関係者のコメントと今後の展望
サスメド株式会社代表取締役社長の上野 太郎氏は、ドラッグロスの問題に触れたうえで「政府の規制緩和を元に、医薬品の製造販売が承認され、患者さんに新たな治療法が届くことは感慨深く、ご尽力いただいた関係者の皆様に心より感謝申し上げます」とコメントしています。
また、内閣府知的財産戦略推進事務局長の中原 裕彦氏は「規制のサンドボックス制度での実証を経て、今回の承認に至りましたこと、大変に意義深いものと受け止めております」と述べ、経済産業省大臣官房審議官の西川 和見氏も「サンドボックス制度の具体的な活用事例として、SUSMED様の取組が適切に進展していることを嬉しく思います」と評価を寄せています。
同社は、SUSMED SDSの活用による臨床開発におけるコスト・工数削減の実績を重ねており、QbDの考え方に基づく治験エコシステムの構築や、将来の社会保障費の最適化・持続可能性への貢献を目指すとしています。
- 所在地:東京都中央区
- 代表者:代表取締役社長 上野 太郎
- 事業内容:デジタル医療を推進する研究開発型企業。治療用アプリ開発やブロックチェーン技術を活用した臨床開発支援システムの提供
本記事はサスメド株式会社の発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



