日立社会情報サービス、企業年金基金業務での生成AI活用を検討する研究会を発足
株式会社日立社会情報サービス(代表取締役 取締役社長:市川 博丈)は、複数の企業年金基金とともに、企業年金基金業務における生成AI活用の可能性を検討する研究会を発足した。企業年金基金の安定的な業務継続や知識継承、業務品質の維持・向上に向け、実務上の課題とガバナンス上の論点を共有する。特定の製品導入を前提とせず、企業年金基金業務に適した安全かつ実効性のあるAI活用のあり方を検討していく。
研究会発足の背景と目的
企業年金基金では、加入者・受給者への給付管理や掛金の収納、法定帳票の作成、制度改正への対応など、専門性と正確性が求められる業務を継続して遂行する必要がある。一方で、少人数体制での運営や業務ノウハウの属人化、担当者の高齢化、後継者不足などを背景に、将来に向けた安定運営と業務品質の確保が重要な課題となっている。
生成AIは業務効率化や知識活用の手段として注目されているものの、年金情報という機微な情報を取り扱う特性上、情報管理や説明責任、利用範囲、費用対効果などを踏まえた慎重な検討が求められる。こうした状況を受け、同じ課題意識を持つ企業年金基金が知見を持ち寄り、実務に即した活用可能性を検討する場として本研究会が立ち上げられた。
研究会の概要と検討内容
研究会では、実務担当者や運営関係者が生成AIに対する期待と懸念、導入の前提条件を共有し、業務継続性・内部統制・情報管理の観点を踏まえた活用シナリオを検討する。日立社会情報サービスは事務局として、議論の設計や進行、課題整理などを支援する。
- 参加対象:日立社会情報サービスの基幹システムを利用している企業年金基金を中心に、関心のある企業年金基金へ順次拡大予定
- 運営:株式会社日立社会情報サービス
- 主な検討テーマ:ノウハウ継承、規程・マニュアルをもとにしたAI利用、企業年金基金横断で共有可能な業務モデルの検討
参加予定の企業年金基金からは、情報管理や利用ルールを慎重に検討する必要性や、自基金だけでは判断しにくい論点を共有したいといった意見が寄せられている。これらを踏まえ、個人の経験に依存してきた暗黙知の形式知化や、実務上の有効性と運営上の安心を両立するテーマの具体化を進めるとしている。
今後の展開と連携体制
企業年金基金業務におけるデータ外部流出リスクへの懸念や厳格な情報管理に対応するため、株式会社日立システムズと連携しながら、業務特化型の環境整備の実現可能性について検討を進める。日立システムズが持つ多様な業種での生成AI活用やシステム構築の知見を生かし、実務で活用可能な生成AI活用モデルの確立をめざす。
また、2026年後半には、現在実施中のPoC(実証実験)の成果を取りまとめ、参加基金に加えて本取り組みに関心を持つ企業年金基金との情報共有を実施する予定となっている。
本記事は株式会社日立社会情報サービスの発表をもとに作成。
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