東陽テクニカ、量子コンピューターIQM Spark導入へ 27年初頭稼働予定
株式会社東陽テクニカは、フィンランドのIQM Quantum Computersから超電導型量子コンピューター「IQM Spark」を導入することを決定しました。東京都江東区木場にある東陽テクニカのR&Dセンターに設置され、2027年初頭の稼働開始を予定しています。
同機は5量子ビットの量子コンピューターで、基礎学習からアルゴリズムの実証・検証、制御技術の習得まで実機を用いて取り組むことが可能です。同社によるIQM社製量子コンピューターの購入は「IQM Radiance20」に続く2台目となります。
自社R&Dセンターに設置しオープンな活用環境を提供
世界各国で量子コンピューターの実用化研究が進むなか、日本国内でも技術開発とともに人材育成やユースケース創出、産業の裾野拡大が求められています。内閣府の「量子未来社会ビジョン」(2022年4月22日)では、2030年までに「量子技術の国内利用者1,000万人」「量子技術による生産額50兆円」などの目標が掲げられています。
東陽テクニカはこうした背景を受け、国内の量子人材育成や利用機会の拡大に向けて「IQM Spark」の導入を決定しました。稼働開始後は、企業・団体、研究機関、大学などに対し、実機を用いた人材教育やアルゴリズム実証・検証の環境を提供する予定です。さらに、超電導型量子コンピューターを構成する部品や関連技術を実機環境で評価・検証するテストベッドとして提供するなど、オンプレミスで実機をオープンに活用できる環境を整備していくとしています。
人材育成と先端研究を分担する2台体制を構築
東陽テクニカは、人材育成や実証・検証を担う「IQM Spark」と、社会実装に向けたユースケース創出や先端研究開発を担う「IQM Radiance20」を連携させる方針です。量子技術を「学ぶ・試す」段階から「活用する」段階まで幅広く支援する体制を整え、活用の段階に応じたニーズに対応していきます。
今後も世界のパートナーと連携しながら、量子コンピューターや量子センシングのユースケース創出やビジネスモデル開発、人材育成を推進し、関連技術・産業の発展と日本における社会実装を目指すとしています。

導入するIQM Sparkの製品仕様
今回導入される「IQM Spark」の基本仕様は以下の通りです。
- 製品名: IQM Spark
- 量子ビット: 5
- 底面サイズ (cm): 123 x 312
- 最低天井高 (cm): 290
- 最小荷重耐容量 (kg/m2): 800
- 平均総電気消費量 (kW): 11
東陽テクニカの量子分野における取り組み
東陽テクニカは、IQM社との販売代理店契約締結を通じて量子ソリューション事業を展開しています。また、英国のRaptor Photonics Limitedが製造する高感度イメージングカメラや、スイスのQZabre AGが製造する量子教育キット「Quantum Edukit」の国内展開も行っています。
さらに、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構および株式会社Type-I TechnologiesとのダイヤモンドNVセンター開発に関する共同研究や、一般社団法人日本量子コンピューティング協会が実施する検定試験の受験費用支援など、量子技術者の育成支援にも取り組んでいます。
本記事は株式会社東陽テクニカの発表をもとに作成しました。
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