過労死問題にAIスーパーアプリ「syd.life」が挑む、コシダテックが英企業と提携

英国のAIヘルステック企業であるiamYiam社と日本の株式会社コシダテックが提携し、iamYiam社が開発した健康管理AIスーパーアプリ「syd.life」を今後5年間で日本国内の700万人以上に提供することを目指す。この提携により、過労死が深刻な社会問題となっている日本において、AIを活用して雇用・労働に関する健康課題の改善と生活の質の向上に貢献する。

syd.lifeは、120万本以上の研究論文を分析・学習した知識ベースを活用し、ユーザーの身体的、社会的、環境的、意義的、感情的、精神的な健康に関する洞察を提供。栄養、キャリア、財務などの分野における生活の質に関する主要指標をリンクさせ、ユーザーごとにパーソナライズされた提案を行う。

日本では平成26年に過労死等防止対策推進法が制定され、3年ごとに対策を定めた大綱が見直されているものの、更なる対策が求められている。厚生労働省の令和5年度過労死等防止対策白書によると、令和4年は「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる労働者の割合」が8割強、脳・心臓疾患に係る労災請求件数は前年度比で6%強増加、業務における強い心理負荷による精神障害発病に係る労災請求は前年度比14%強増加している。

syd.lifeは、生活の質に影響を及ぼす過度なストレス下であることを知らせる警告サインやリスク要因を提言するためのアドバイスをユーザーに提供することで、雇用・労働に関する健康課題の改善が期待される。ただし、syd.lifeは疾病の診断、治療又は予防を目的とするものではなく、医療機器ではない。

iamYiam社は、英国国民保健サービス(NHS)との臨床試験に成功し、欧州委員会から研究・イノベーションの優秀賞を受賞。また、コーネル大学が未来の医療環境を評価するFuture of Health Indexにも掲載され、syd.lifeが開発した指標であるLife Quality Index™(LQI)は世界知的所有権機関とコーネル大学からゴールドスタンダードを認定された。現在は各国企業と提携することで26か国でサービス展開しており、10年後には143か国で10億人のユーザーの生活の質を改善していくことを目指している。

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