高齢者施設における「推し活」が、高齢者だけでなく施設職員の「生きがい」にも好影響をもたらす可能性を確認
高齢者施設でのサッカー応援が高齢者や職員の生きがいに影響 サントリーウエルネス等
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サントリーウエルネス(株)生命科学研究所、京都大学 人と社会の未来研究院、大阪公立大学 大学院情報学研究科 基幹情報学専攻の共同研究グループは、高齢者施設におけるサッカーの応援活動(いわゆる「推し活」)が高齢者や施設職員の「生きがい」にもたらす影響に関する研究成果を発表しました。
本研究は、サントリーウエルネス(株)とJリーグが共同推進する活動「Be supporters!」に参加する要介護状態の高齢者および施設職員を対象に実施されたもので、2024年11月の発表に続く第2弾となります。研究成果は、9月12日(土)~13日(日)に開催された「第67回日本社会心理学会」で報告されました。
身だしなみや会話の創出が高齢者の生きがいに寄与
高齢者を対象とした質問票の解析(Gaussian Bayesianネットワーク解析)によると、活動への参加頻度が増えるほど「身だしなみ(ユニフォームで自身を着飾る等)」や周囲との「会話」が生まれるなどの変化が起き、それらが「生きがい」につながっていることが確認されました。
一方で、「生きがい」は身体状態(バーセル・インデックス、意欲の指標)との関連は認められず、要介護高齢者の身体状態に関わらず「生きがい」に寄与する可能性が示されています。また、参加頻度の増加によって生活リズムが生まれ、周囲と一緒に楽しもうとする気持ちが高まることで、孤独感の緩和につながることも示されました。

研究では小型無線端末ビーコンを用い、施設共用部における高齢者の滞在時間データを取得しました。その結果、「Be supporters!」の実施日は、ボーリング、カラオケ、輪なげ、テレビ鑑賞などの通常のレクリエーション実施日と比較して、施設共用部で過ごす時間が有意に長いことが確認されました。

周囲と共通の応援対象を持つ応援活動を通じて関係性が生まれ、その場に長く過ごす動機になっていると推測されています。
施設職員の生きがいや協調的幸福感との関連も示唆
施設職員に対する質問票を用いた相関解析では、活動の参加頻度が高い職員ほど「生きがい意識尺度」や「協調的幸福感」(周囲の人との調和や安定した関係性の中で得られる幸福感)が高いことが確認されました。これにより、活動に積極的に関わる職員ほど「生きがい」を感じやすい可能性が示されています。

研究概要

- 研究方法:観察研究
- 対象者:合計39名(Jリーグの試合観戦に参加している82歳~101歳の高齢者19名、高齢者施設に勤務している職員20名)
- 評価項目:質問票による評価(高齢者向け全11項目・担当職員が回答、職員向け全8項目)、ビーコンによる評価(高齢者16名に装着)
- 実施施設:大阪府八尾市高齢者施設3施設(あぷり八尾太田,あぷり八尾都塚,小規模多機能ホームあぷり)
- 調査期間:2025年4月18日~2025年12月15日
- 発表演題:「集合活動における滞在場所は生きがい形成に影響するかー介護施設におけるBe supporters!活動事例からの検討ー」
本記事はサントリーウエルネス(株)の発表をもとに作成しています。
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