パリ五輪開会式、ディオールが魅せた輝き
2024年のパリオリンピック開会式において、ファッションブランドのディオールが特別な演出を披露した。ディオールはLVMHグループのメゾンであり、パリ2024のプレミアムパートナーでもある。開会式の芸術監督を務めたトーマ・ジョリーの指揮のもと、ディオールは5つの壮大な瞬間を昇華させた。
最初のパフォーマンスでは、レディー・ガガと10人のダンサーがディオールの衣装を身にまとい、”Mon Truc en Plumes”を再解釈。これは、創設者クリスチャン・ディオールがかつてバレエの衣装をデザインしていたジジ・ジャンメールとローラン・プティへのオマージュであった。
次に、アヤ・ナカムラが6人のダンサーとともに、ディオールの伝説的な色であるゴールドの輝きに包まれたパフォーマンスを行った。何千枚もの羽毛が手作業で一枚一枚丹念に配置された特別なクリエイションだった。
グラン パレの屋上では、アクセル・サン=シレルが8メートルを超える見事なドレスを身にまとい、「ラ マルセイエーズ」を披露した。ドレスが旗として始まり、旗がドレスになるという限りない妙技が体現された。
アレクサンドル3世広場では、約60人の女性合唱隊が、フェミニズム運動の歴史的人物であるフェイス・リンゴールドが1971年に考案したペプラムを纏い、歌声を響かせた。
ジュリエット・アルマネは、刺繍家クララ・ダギャンとのコラボレーションにより、現代的なテクニックの限界を超えたディオールの衣装を着用。ボートの上でジョン・レノンの「イマジン」が演奏される中、独創的なプログラミングシステムにより、刺繍されたライトが曲のリズムに合わせて光り輝いた。
フィナーレでは、セリーヌ・ディオンがエッフェル塔の2階で、何千ものビーズできらめき、500メートルを超えるフリンジで飾られた魅惑的なドレスを着用。ディオールメゾンの刺繍技術を反映した芸術品そのものであるこの作品は、動きに合わせて詩的に振動した。
これらの作品の一部は、2024年7月31日からパリの「ラ ギャラリー ディオール」にて独占公開される予定だ。ディオールのオートクチュールが体現する夢のような魔法は、女性の自由の名のもとに芸術とスポーツの情熱的な出合いを輝かせた。