IIJとNTTドコモビジネス、異なるデータスペース間の相互接続実証を完了
株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)とNTTドコモビジネス株式会社(旧 NTTコミュニケーションズ株式会社、以下 NTTドコモビジネス)は、データ流通の信頼性確保に向けた異なるデータスペース間での相互接続実証を2026年7月までに完了しました。
本実証は、IIJが国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から受託している「ハイブリッドクラウド利用基盤技術の開発」の研究テーマ「データの保護と流通の自動化技術」で開発を進めるデータ流通プラットフォームと、欧州で普及するオープンソースソフトウェア(OSS)「Tractus-X」をもとにNTTドコモビジネスが提供するデータスペースの検証環境サービスの間で相互接続性を検証したものです。異なるアーキテクチャを持つデータスペース間でも信頼性の高いデータ流通が可能であることが確認されました。
実証の背景と目的
デジタルデータの活用が社会全体で広がるなか、企業や組織の枠を越えたデータ連携の重要性が高まっています。各組織がデータ主権を保持しながら安全にデータを連携できる仕組みとしてデータスペースが注目されていますが、設計思想や想定する利用範囲が異なる多様な基盤が存在するため、異なるデータスペース間での相互接続性の確保が課題となっていました。
今回の実証は、日本国内で研究開発が進むデータスペースと、欧州で導入が進むデータスペースとの相互接続性を検証したもので、将来的には国際的なサプライチェーン取引などにおける、より広い業界・分野間でのデータ連携への応用が期待されています。
実証の手順と検証内容
IIJのデータスペースは、データ提供側がマスキングによる一部情報の秘匿、複製の禁止、加工の制限といった利用制御条件を設定し、その条件を維持したままデータを受領者に渡すことを可能にする仕組みを備えています。実証では、以下の手順で相互接続の検証が行われました。
- データ提供者が利用制御条件(ユーザ権限・利用可能範囲等)を設定したデータを作成し、IIJのデータスペース上のデータストアに格納
- データ提供者側のデータストアからコネクタを介して、NTTドコモビジネスのデータスペースへデータを流通
- データ受領者が、設定された利用制御条件を反映したデータを受領
- 両社のデータスペースを横断するデータ流通プロセスにおける運用性および信頼性を評価
実証の成果と今後の取り組み
本実証により、IIJのデータスペースで開発されたデータ連携制御技術を利用することで、異なるアーキテクチャを持つNTTドコモビジネスのデータスペースと相互接続し、広範な業界・分野間でのデータ流通が実現できることが確認されました。また、両基盤の組み合わせにより、データの持ち主が取り扱いを主体的に決定できる「データ主権」を確保しながら、共創型エコシステムへの転換が可能であることも確認されています。
今後に向けて、IIJは安全かつ信頼性の高いデータ連携の実現を通じ、データスペースやAIを組み合わせた新たなデータ連携の在り方の検討を続け、コンサルティングやデータスペース接続サービスなどの整備・開発を進めるとしています。NTTドコモビジネスは、企業が安全にAIとデータを利活用できるサービスの実現に向け、データスペースや認証・認可、AIエージェントなどに関する技術開発および社会実装を推進していく方針です。
企業概要と注記
株式会社インターネットイニシアティブ
- 設立:1992年(1994年に国内事業者として初の本格的なインターネット接続サービスを開始)
- 事業内容:約16,000社の国内外企業に対するインターネット接続、クラウド、セキュリティ、IoT、動画配信、システム構築や運用アウトソーシングなどのネットワーク・ソリューション提供、個人向け通信サービス「IIJmio」の展開
- ウェブサイト: https://www.iij.ad.jp/
NTTドコモビジネス株式会社
- 事業内容:法人向け総合ICT事業、「産業・地域DXのプラットフォーマー」としてのソリューション提供
注記情報
- 本実証に記載された研究成果は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業「経済安全保障重要技術育成プログラム/ハイブリッドクラウド利用基盤技術の開発」(JPNP23013)によるものです。
- データスペース:企業や組織が保有する業務・製品などに関するデータを、共通のルールに基づいて安全に共有するためのデータ連携基盤。
- 関連報道発表(2023年11月8日):IIJ、「経済安全保障重要技術育成プログラム」においてマルチクラウド環境での「データの保護と流通の自動化技術」の研究開発を受託( https://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2023/1108.html )
- Tractus-X:欧州で普及する企業間データ連携用OSS群。自動車業界のデータスペース「Catena-X」などで利用。
- NTTドコモビジネスの検証環境:ドイツのT-Systems社の製品「Build & Operate」を用い、商用データスペース環境とほぼ同等の構成で企業間データ連携を検証できる環境(2024年9月25日発表)。
本記事は株式会社インターネットイニシアティブおよびNTTドコモビジネス株式会社の発表をもとに作成。
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