親ロシア派集団が日本へDDoS攻撃、海運・物流などが標的に チェック・ポイント分析
サイバーセキュリティ企業のチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(Check Point® Software Technologies Ltd.、NASDAQ: CHKP、以下チェック・ポイント)は、2022年から活動する親ロシア派ハクティビスト集団「NoName057(16)」による日本へのDDoS攻撃キャンペーンに関する分析を発表しました。
同集団は2026年8月24日に「#OpJapan」の再始動を宣言し、日本がウクライナとNATOへの支援を継続していることを標的とする理由に挙げています。攻撃は海運・物流企業をはじめとする官民の組織に向けて実行されました。


連携を強めるハクティビスト集団の動向
NoName057(16)はクラウドソーシング型のDDoS攻撃プラットフォームで広く知られており、#OpJapanのタグの下で日本の組織を標的とした大規模オペレーションを繰り返し実施しています。直近では2026年2月中旬にも攻撃の波があり、日本とNATOの協力関係の進展やウクライナ支援が動機とされていました。


現在のキャンペーンでは、8月24日の再開宣言直後に、共同作戦の実績がある親パレスチナ派ハクティビストグループのDark Storm Teamが攻撃に加わりました。こうした連携は統率された行動という印象を演出し、各グループの知名度を相互に高め合う狙いがあるとみられます。2026年2月中旬の攻撃でも、BD Anonymousが日本政府によるパレスチナ支援の欠如を理由に加わるなど、同様のパターンが確認されています。
海運・物流企業をはじめ26組織が標的に

NoName057(16)は自身のTelegramチャンネル上で、8月24日から30日にかけて日本の26組織に対し66件の攻撃を実行したと主張し、証拠としてcheck-host.netのリンクを公開しています。
標的は政府ポータル、省庁、市区町村・都道府県のサイトといった公的部門から民間企業まで多岐にわたりますが、最も標的とされた業種は海運・物流企業でした。同じ業種内で複数企業が攻撃を受けている点について、脆弱性の有無というよりも、象徴的・経済的に重要な業種や特定しやすい組織を狙った標的選定の結果である可能性が高いと分析されています。
なお、8月31日以降は日本に関する新たな攻撃主張の投稿がなく活動は鈍化しており、関心はウクライナ支援を動機とする新たなキャンペーン「#OpEstonia」へ移行したと考えられています。
攻撃の技術的特徴と不正アクセスの実態
技術面では、トラフィックの単純な大量送信と的を絞ったリクエストを組み合わせ、検索・問い合わせフォーム・ログインページなど処理負荷の高いサイト機能を狙う手法がとられました。リクエスト内容を変化させることで、トラフィックが自動的にフィルタリングされにくくされているのも特徴です。
また、同グループは日本の商業駐車場施設の映像監視システムに対する1件の不正アクセス成功を主張しています。これは2月に温浴施設の監視システムへのアクセスを主張した事例と同様、悪用可能な脆弱性が見つかった際の中小企業に対する場当たり的な侵害とみられます。キャンペーン全体を通じて、データの窃取、Webサイトの改ざん、バックエンドの侵害は確認されていません。
推奨されるセキュリティ対策
チェック・ポイントは、地政学的な動静などに伴う情報かく乱作戦のリスクに備え、以下の対策を推奨しています。
- インターネットに接続するすべてのドメインおよびサブドメイン、本番以外の環境(UAT・テスト環境)でのDDoS対策(クラウドスクラビング、CDN、レート制限/IPフィルタリング)の有効化
- Webサーバーおよびリバースプロキシにおけるタイムアウト、同時接続数の上限、リクエスト処理ポリシーの厳格化(Slowloris型のサービス拒否攻撃への防御)
- 処理負荷の高いエンドポイント(検索・絞り込み検索ページ、フォーム送信、認証API)へのキャッシュとレート制限の適用
- トラフィックの多いエンドポイント(ログイン、検索、API)へのレート制限適用と、DDoSiaのボランティアノード型モデルに特有の家庭用IPアドレス帯からの異常なアクセス急増の監視
- DDoS事象に備えたインシデント対応・情報発信計画の整備と、一次対応の告知文(ホールディングステートメント)の準備
- 外部公開ポータルでのMFA(多要素認証)と最小権限アクセスの適用
- ビル管理システムやIoT機器(監視カメラ、駐車場、入退室管理プラットフォームなど)のアクセス制御、初期設定のままの認証情報、インターネット露出状況の見直し
会社概要
- 会社名: チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社(チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズの全額出資日本法人)
- 設立: 1997年10月1日
- 所在地: 東京都港区
- URL: https://www.checkpoint.com/jp/
本記事はチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズの発表をもとに作成されています。
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