海業振興に向けた漁港釣り場予約サービス「海釣りGO」に、静岡・仁科漁港が登場

静岡県西伊豆町の田子漁港で昨年7月31日から始まった日本初の漁港釣り場予約サービス「海釣りGO」が、約1年間のトライアルを経て海業振興として有効な施策であることが実証された。これを受けて、伊豆漁業協同組合仁科支所と株式会社ウミゴーが協定を締結し、今夏、仁科漁港での新規導入を行う。

田子漁港では、釣人と漁業者とのトラブルにより一時は釣り禁止となったが、アプリを用いた釣り場管理の導入により、釣人も漁港利用者の一員として維持管理費用を担う仕組みを構築。これにより、トラブルを解消しつつ、地域の賑わいを取り戻すことに成功した。

海釣りGOは、現地の案内や美化活動などを現場巡視員が担い、決済や受付をソフトウェアが担うメリハリあるシステムが特徴。田子漁協では収益金の一部を活用し、救命はしごの設置、AED設備の更新、休憩所の設置、水道の設置など、漁港設備の改良・追加を実施している。

海釣りGOの1周年を記念し、7月13日から15日の海の日連休には、田子漁港で釣りイベントを開催。普段通りのルールで、釣れた魚を撮影して多くの魚種に出会うことができる。

仁科漁港は、漁協直営食堂「沖あがり食堂」、直売所「はんばた市場」、「沢田公園露天風呂」など、海を楽しむ仕掛けがたくさんあるエリア。原則釣り禁止であった防波堤を釣り場として開放し、レンタル釣具も用意。少しの時間でも長時間でも、西伊豆来訪のご都合に合わせた海釣り体験を楽しめる。

仁科漁港への海釣りGO導入にあたっては、西伊豆町内の事業者が密に連携。スタートアップとベテラン製造業者がタッグを組み、新しい海業サービスを生み出している。

海釣りGOは、水産庁が提唱する「海業」を振興するための事業であり、西伊豆町漁港管理条例を改正し、指定管理者が海業振興事業を実施する場合の利用料金を新設して運営している。全国的にも初の取り組みとして注目される。