NTTのIOWN AI Fundが初号投資、光技術開発のiPronicsに出資
東京都千代田区に本社を置くNTT株式会社(代表取締役社長 社長執行役員 CEO:島田 明)は、2026年6月10日に組成を発表したIOWN AI Fundの初号投資として、iPronicsへの出資を実施した。iPronicsは、AIデータセンター向けのプログラマブル光ネットワーク技術を開発している。今回の出資を通じて、世界の先端フォトニクス技術とNTTグループなどの基盤を結びつけ、次世代AIインフラの実現とIOWNエコシステムの構築を進める方針だ。
総額1億2,500万米ドルのシリーズB資金調達に参画
IOWN AI Fundは、iPronicsが実施した総額1億2,500万米ドルのシリーズB資金調達に参画した。この資金調達には、NVIDIAを含む新規および既存の投資家も参画している。
iPronicsは調達した資金を活用し、製品の商用展開、事業運営体制の拡充、グローバル市場への展開を加速する予定としている。今回の投資は、IOWN AI Fundが中核的な投資領域として掲げるフォトニクス技術および光スイッチ分野における初号投資となる。
iPronicsは、シリコンフォトニクスを活用したAIデータセンター向けのプログラマブル光回路スイッチを開発する企業である。同社の光回路スイッチは、ラック内やラック間の光接続をソフトウェアによって動的に再構成することで、AIワークロードに応じた柔軟なネットワーク構成を可能にする。これにより、GPUの利用効率向上、消費電力の低減、ネットワーク構成の簡素化を目指している。
AIクラスタの大規模化に伴い、ネットワークの帯域や電力効率、柔軟性の重要性が高まっている。同社はプログラマブルな光接続技術により、従来の銅線や固定的な接続構成が抱える制約を解消し、拡張性と電力効率に優れたAIインフラの実現に取り組んでいる。IOWN AI Fundは、同社の技術が次世代AIインフラの実現に貢献し、光技術を核とするIOWNの技術領域やエコシステムと高い親和性を持つ点に着目して投資を決定した。
NTTの光電融合スイッチとの相補的な役割
NTTが開発を進める光電融合スイッチは、電気スイッチの配線区間を短縮してパケット処理の柔軟性を維持しながら低消費電力化を図る技術である。これに対し、iPronicsの光回路スイッチは、光信号を電気信号に変換することなく光パスを直接切り替えることで、さらなる省電力化を可能にする。
光回路スイッチは切り換え速度が遅い一方、頻繁な経路切り換えを必要としない大容量で継続的なトラフィックに適している。高速切り換えが可能な光電融合スイッチと組み合わせることで、データセンターネットワーク全体の高効率化を促進し、IOWNエコシステムの拡大に貢献することが期待される。
本記事はNTT株式会社の発表をもとに作成。
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