中小企業20代社員の6割がキャリアビジョン見えず、キャリア形成に関する意識調査
株式会社あしたのチームが、国内中小企業の組織課題や実態の把握を目的に、「中小企業で働く20代のキャリア形成に関する意識調査」を実施した。調査は2024年5月23日から24日にかけて、全国の中小企業に1年以上勤続する20歳から29歳の正社員300人を対象にインターネット上で行われた。
調査の結果、6割超が現在の会社における自身のキャリアビジョンが見えていないと回答し、社内にキャリアの参考になる先輩社員や上司が「1人もいない」が最も多く全体の30.0%、「自身のキャリアビジョンが見えていない」層では44.2%にのぼることが明らかになった。一方、「自身のキャリアビジョンが見えている」層の役に立ったものは「上司との面談」が最多だった。
キャリアビジョンが見えない理由の1位は「自身のライフプランが見えないから」で、20代は”ワーク・イン・ライフ”の考え方を好む傾向にあることが示唆された。2位は「先輩社員や上司を見て希望が持てないから」だった。
また、キャリア形成に役立つ制度や体制の整備状況を見ると、キャリアビジョンが見えている層は7割近くが「整備されている」と回答したのに対し、キャリアビジョンが見えていない層は8割が「整備されていない」と回答した。
株式会社あしたのチーム・代表取締役社長CEOの赤羽博行氏は、かつては先輩社員や上司を参考にキャリアビジョンを描くことが多かったが、現在は多様な価値観を尊重することが当たり前の20代にとって、先輩や上司の時代とはキャリアの前提が違い過ぎて参考にならないのは当然のことだと指摘。今後企業には、社員一人ひとりのキャリアに向き合えるキャリア支援ができる管理職の育成と、個人の成長機会を提供するための人事の仕組みづくりが求められると述べている。