デザミス、新経営方針でAI基盤構築と畜産GX事業を推進へ
デザミス株式会社は、新たな経営方針を策定し、「Physical AI U-motion Platform」と「畜産GX」を両軸とする新事業展開を推進すると発表しました。全国約30万頭超えの牛のデータや現場知見を活用したAI基盤への進化と、家畜排せつ物を起点とする資源循環事業の本格展開を進めます。これまでの牛の見守りセンサー企業から、データと資源で世界の畜産経営を支える次世代インフラ企業への進化を目指す方針です。
行動データを活用する意思判断支援基盤の構築
同社は、牛の行動モニタリングシステム「U-motion®」を通じて10年にわたり蓄積してきた牛の行動データ、生産者の対応履歴、現場知見をAIで学習・活用する「Physical AI U-motion Platform」の構築を進めています。この取り組みは、ロボットそのものを開発するのではなく、牧場で人や将来稼働するロボット・AIが適切に判断・行動するための基盤を構築することを目指しています。

畜産現場における人手不足や飼養規模の拡大に伴う状態把握の遅れなどによる生産性ロスは、世界全体で約15兆円規模に及ぶと同社は推計しています。また、AIを活用した畜産経営支援市場は12.3兆円規模へ拡大すると見込まれています。なお、日本政府が2026年7月21日に閣議決定した「日本成長戦略」の「危機管理投資・成長投資」17戦略分野においても、「フィジカル AI」が位置付けられています。
排せつ物を資源へ転換する畜産GXの本格展開
世界全体で約10兆円規模と推計される排せつ物処理や肥料成分の未利用、温室効果ガス排出に伴う環境・資源損失に対し、同社は排せつ物処理装置「OHD」を中核とした畜産GX事業を推進します。実証実験では家畜排せつ物の「減容率約95%」および肥料資源(リン・カリウム)の抽出に成功しており、すでに複数の牧場等から導入に向けた具体的な受注が進行しています。

展開可能な資源循環・環境価値関連市場は約250兆円規模と見込まれており、排せつ物処理の効率化に加え、肥料資源化やカーボンクレジット創出による経済価値の創出を目指すとしています。
※各市場規模および損失額は、公表統計・関連資料ならびに同社独自の前提条件に基づく試算であり、将来的な潜在市場規模を示すものです(2026年8月時点)。

段階的な事業成長ロードマップ

同社は、以下の4段階で事業のアップデートを進めています。

- STEP1(見守りの自動化):2016年に開発した「U-motion」により、AIが牛の行動データを分析して発情や疾病の兆候を自動検知し、見回り負担を削減
- STEP2(現場オペレーションの実行支援):2026年7月に実装した「作業プログラム機能」や「カレンダー機能」により、必要な作業予定をシステムが提示
- STEP3(現場の入力作業の最適化):AI業務支援機能「U-コンシェルジュ」によるAI-OCRでの個体識別番号読み取りや質問対応など、入力業務を効率化
- STEP4(経営の先読みで利益を最大化):一次データや請求書データ等を統合し、AIが経営判断を支援する「U-motion Business」の開発(牛舎稼働の最適化、自動予実管理、市場データ連動などの機能を検討中、2026年8月時点)

経営方針策定の背景と今後の展望
畜産業界では人手不足や飼料価格の高騰に加え、持続可能な生産体制への対応が求められています。また、2026年度から排出量取引制度が本格稼働するなど、環境対応が経済価値を生む機会へと変わりつつあります。同社は、これまでに培ったデータ基盤とOHDの技術的裏付けをもとに、生産者の持続可能な畜産経営と環境対応の価値化を直接的に支援する基盤構築を決定しました。
今後は、AI・ロボット・設備・人が連携する次世代の牧場運営基盤を構築し、日本で培った技術と知見を世界へ展開していく考えです。
会社概要

- 社名:デザミス株式会社
- 代表者:代表取締役 兼 CEO 清家浩二
- 本社所在地:東京都江東区青海 2-7-4 the SOHO 417
- 公式サイト:https://www.desamis.co.jp
本記事はデザミス株式会社の発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



