老舗デニムファクトリー・青木被服、高野山に井原デニム作務衣奉納

岡山県井原市に本社を構える老舗デニムファクトリー、青木被服株式会社は、西日本豪雨災害7回忌を迎える今年、災害時に氾濫した小田川の水で染めたデニム製の作務衣35着を高野山金剛峯寺へ奉納した。

2018年7月に発生した西日本豪雨では、岡山県西部を流れる小田川が氾濫し、倉敷市真備町を中心に甚大な被害をもたらした。青木被服も旧社屋が浸水し、デニム素材や機械類が水没する被害を受けた。一方で、コロナ禍ではマスク不足の際に、井原デニムを使用したデニムマスクの製造を手がけ、需要供給の安定に貢献した。

今回の奉納は、高野山真言宗備中青年教師会との協業のもと実現。物故者の供養と、僧侶の日常着として寄り添うことを意味する。奉納式は6月27日、高野山金剛峯寺大広間にて執り行われ、青木被服の専務取締役である青木俊樹氏が奉納者として出席した。

青木被服は1961年にデニム製品・ユニフォームの受注生産を開始し、国内外に工場を展開。デザイナーの青木俊樹氏が手がけるブランド「FAGASSENT」は、パリ・ミラノのメンズコレクションに参加するなど、世界的な評価を得ている。また、B’zやONE OK ROCK、GLAYといったアーティストのステージ衣装制作も手がける。

井原デニムは、小田川上流の美しい水で染色されることで知られ、発色の良さと柔らかな着心地が特徴だ。青木被服は、この奉納を機に井原デニムの価値を訴求し、岡山のデニム産業の更なる発展を願っている。