Grafana Labs、顧客数1万社とARR6億ドルを突破 AI機能拡充が成長後押し
オープンなオブザーバビリティプラットフォームを提供するGrafana Labsは2026年8月26日、顧客数が世界で1万社を超え、年間経常収益(ARR)が6億ドルを突破したと発表した。AI時代におけるオープンなオブザーバビリティの需要増や、システムの監視およびAIシステム自体の監視に対するニーズの高まりが事業成長を後押ししている。同社は2026年Gartner Magic Quadrantのオブザーバビリティ・プラットフォーム部門で3年連続「リーダー」に選出されたほか、7月末には6つのAI関連機能を一般提供した。
顧客数1万社突破とARR6億ドル超えをけん引する利用拡大
Grafana LabsのARRは6億ドルを大きく突破し、Grafana CloudやAIを活用した各種ソリューションの普及が収益をけん引している。契約顧客1社あたりの平均利用製品数は2年間で2.3から4.4へと倍増し、契約顧客の87.8%が2つ以上、64.9%が4つ以上の製品を利用している状況だという。有料プランと無料プランを合わせた1万8,000以上の組織がコンテキスト認識型AIエージェント「Grafana Assistant」を利用しており、2026年上半期にはセルフサービスおよび契約経由の新規顧客の過半数が同機能を活用した。
Grafana Cloudの月間アクティブユーザー数は過去2年間で約12万7,000人から25万1,000人以上に増加し、同期間にログインしたユニークユーザーは110万人を超えた。セルフサービスを利用する月間アクティブ組織数も約4万2,000から6万6,000へと拡大し、過去2年間の新規登録数は50万件を超えている。
同社は7月27日から31日にかけて開催した「AI Week」において、本番環境のAI運用の可視化を支援する6つの新機能を一般提供した。
調査自動化機能の「Grafana Assistant Investigations」は、問題発生時に複数のAIエージェントが連携してメトリクス、ログ、トレースを関連付けた調査レポートを作成する。また「Grafana Agent Observability」は、本番環境で稼働するAIエージェントやモデルのレイテンシ、トークン使用量、意思決定動作などを既存のインフラと合わせて追跡できる。これらを支える接続基盤として「Grafana Cloud MCP server」およびCLIツール「gcx」も提供される。
さらに、フルページ画面でチャットや可視化作成を並行して行える「Grafana Assistant Workspace」や、プロンプトの自動実行スケジュールを設定できる「Grafana Assistant Automations」もラインアップに加わった。
導入企業であるDeutsche Telekomでは、AIを活用したシチュエーションルームの構築によって障害発生時もダウンタイムなしで配信を継続できたほか、Grafana Assistantによりダッシュボード構築期間を4カ月から1日に短縮した実績があるとしている。
AIシステムの拡大に伴い増加するデータ保存コストに対し、メトリクス、ログ、トレース、プロファイルに対応した「Adaptive Telemetry」スイートの提供も進められている。これまでに285億件のメトリクス系列と26PBのログ量を削減し、必要なインサイトを維持しながらテレメトリコストを平均30〜50%削減したという。
このほか、関係性を自動マッピングする「Grafana Cloud Knowledge Graph」や、エンタープライズ・規制産業向けの「Grafana Bring Your Own Cloud」「Grafana Federal Cloud」、ソフトウェアの最新版「Grafana 13」「Mimir 3.0」などの機能強化が実施された。
こうした取り組みにより、同社は2026年Gartner Magic Quadrantのオブザーバビリティ・プラットフォーム部門で3年連続の「リーダー」に選ばれ、「ビジョンの完全性」で2年連続最上位に位置付けられた。また、GigaOmのレポートや各種アワードにおいても複数の評価を獲得している。
Grafana Labsは、年次カンファレンス「ObservabilityCON 2026」を10月19日から21日までサンフランシスコのPier 27で開催する。あわせて、サンパウロ、ロンドン、マドリード、ベンガルールを巡るツアーイベント「ObservabilityCON on the Road」も実施され、東京を含む追加の開催都市も今後発表される予定となっている。
- 組織形態:40カ国以上にチームメンバーを擁するフルリモート企業
- 主な提供サービス:フルマネージド型オブザーバビリティプラットフォーム「Grafana Cloud」
- 主要投資家:Lightspeed Venture Partners、Sequoia Capital、GIC、Coatue、J.P. Morgan、CapitalG、Lead Edge Capital
本記事はGrafana Labsの発表をもとに作成。
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