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ベネッセスタイルケア、対話型アート鑑賞で高齢者の対話促進やQOL向上を確認

株式会社ベネッセスタイルケアの社内シンクタンクであるベネッセ シニア・介護研究所は、対話型鑑賞プログラム「おしゃべりART鑑賞」の効果を検証し、参加者同士の対話促進や生活の質(QOL)向上につながる可能性を確認したと発表しました。この研究成果は、2026年7月5日から8日にオランダ・アムステルダムで開催された第23回国際老年学会で発表されました。

同プログラムは、高齢者が参加しやすいように開発された対話型鑑賞プログラムです。ベネッセアートサイト直島が展開する対話型鑑賞をもとに開発されました。参加者ははがきサイズのアートカードから好みに合う1枚を選んで理由を話したあと、大きな作品を見ながら気づいたことや感じたことを自由に語り合います。ファシリテーターが「どこからそう思いましたか」などと問いかけることで、知識や正解を求めるのではなく、参加者のまなざしや価値観に基づいた対話を引き出す手法が特徴です。

ベネッセスタイルケアが運営する有料老人ホームでは、制作活動への参加が難しい入居者も含めてアートを楽しめる機会として同プログラムを実施してきました。その中で入居者が自ら話し始めるなどの場面が見られたことから、日々の生活やQOLとの関係を明らかにするための検証が行われました。

有料老人ホームでの検証内容

検証は、ベネッセスタイルケアが運営する有料老人ホームの入居者5名(82〜93歳、平均89.0歳)を対象に、2025年11月から2026年2月にかけて実施されました。頻度は月に1度、全4回(各回1時間)行われ、毎回2〜3点のアート作品(絵画、写真、立体作品の写真)を見ながら自由に発言する形式をとりました。

分析にあたっては、同意を得たうえでビデオカメラ記録を行い、発話内容や発話時間の各回比較のほか、フェイススケール(6段階)、検証期間前後の本人評価による「WHO-5」、職員による評価「short QOL-D」、アンケートコメントの前後比較などが用いられました。

検証結果と考察

検証の結果、参加者の関心が作品そのものの観察から自身の記憶や経験、価値観へと広がる様子が見られ、多くの参加者で気分の向上が記述的に認められました。また、回を重ねるにつれて参加者同士の発話の割合が有意に増加したほか、QOL指標においてshort QOL-Dで有意な向上、WHO-5でも向上傾向が確認されました。

考察として、ファシリテーターの問いかけが参加者の気づきや言葉を引き出し、互いの見方に耳を傾けることで対話が深まることが示唆されたとしています。また、近代美術では自身の経験などの内省的な語りが多く、現代美術では作品や自身以外へ向かう対話になる傾向が見られ、この違いが気分やQOLの向上に関連している可能性があるとしています。

国際老年学会での発表と今後の展開

本研究の成果は、79か国から3,200人以上が参加した国際老年学会(23rd IAGG World Congress of Gerontology and Geriatrics)で発表されました。発表演題は、気分やQOLに関する量的研究と、意味生成プロセスに関する質的研究の2題です。

ベネッセスタイルケアは、今後もより多くの入居者を対象に検証を重ね、得られた知見を現場へ還元しながらプログラムを発展させていく方針です。

本記事は株式会社ベネッセスタイルケアの発表をもとに作成

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