保育園の倒産と休廃業が2026年1から8月で計36件 過去最多を更新
株式会社帝国データバンクの調査によると、2026年1〜8月に発生した保育園運営事業者の休廃業・解散は30件、倒産は6件となり、同期間の累計として過去最多となる計36件に達した。子どもの減少に伴う園児獲得競争の激化や保育士不足、運営コストの上昇といった要因が重なり、事業継続が困難になる施設が増加している。保育需要や政策の変化を背景に、施設間での二極化が進む傾向もうかがえる。
1〜8月の倒産・廃業は計36件で過去最多
2026年1〜8月における保育園運営事業者の休廃業・解散は30件で、前年同期の20件から10件増加し、1.5倍となった。負債1000万円以上の法的整理を対象とした倒産は6件発生し、休廃業・解散と合わせた件数は36件と、同期間の累計で過去最多を記録している。
園児獲得競争の激化に加え、保育士不足や運営コストの上昇という「三重苦」に直面し、事業を続けられなくなる保育園が増えている状況にある。
地方での発生割合が7割超へ拡大
2026年に発生した保育園の倒産・廃業のうち、首都圏・京阪神・中京以外の地方が占める割合は7割を超えた。地方の割合が5割を下回っていた10年前の2016年(47.1%)と比べて大幅に上昇しており、特に人口減少が進む地方において園児獲得競争が一段と激しくなっている様子が示されている。
幼児教育・保育の無償化や「こども誰でも通園制度」の実施により利用のハードルが下がる一方、自治体の待機児童解消施策や異業種からの参入が進んだ結果、一部地域では需要に対して施設数が過剰となる傾向がみられる。
保育士不足と「認定こども園」への移行による収益悪化
共働き世帯の増加や出社回帰により、延長保育や休日保育、一時預かりの需要が局地的に急増している。しかし、保育士の退職や採用難で配置基準を満たせず、自主的な定員縮小や受け入れ制限を余儀なくされ、機会損失による減収に直面するケースが少なくない。
また、就労要件に関わらず利用でき教育カリキュラムも備える「認定こども園」の普及も影響している。特に3歳児以降で幼稚園やこども園への転園が進んだ結果、従来型の保育園では採算が見込める「3〜5歳児クラス」で定員割れが生じやすくなり、収益バランスの悪化につながっている。
政策シフトにより進む事業者の二極化

2026年は保育士の配置基準や処遇改善など、政策面で量重視から質重視へのシフトが鮮明となっている。経営改善やサービス向上に取り組む保育園には追い風となる一方、少子化の加速により都市部でも利便性の高くないエリアでは園児募集に苦戦する例がある。今後は保育サービス業界全体において「選ばれる園」と「選ばれない園」の二極化が一段と進む可能性がある。
調査概要
- 集計期間:2026年8月31日まで
- 集計対象(倒産):負債1000万円以上の法的整理
- 集計対象(休廃業・解散):特段の手続きを取らずに企業活動が停止した状態を確認(休廃業)、または商業登記等で解散を確認した企業(みなし解散および倒産を除く)
本記事は株式会社帝国データバンクの発表をもとに作成しました。
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