テクノロジーを活用した農業の脱炭素化実証を開始、サグリと野村グループ、TOWINGが連携

サグリ株式会社、野村證券株式会社、野村ファーム北海道株式会社、株式会社TOWINGは、テクノロジーを活用した農業分野の脱炭素に関する実証を北海道で開始した。この取り組みは、サグリとTOWINGのソリューションを掛け合わせた初の試みである。

農林水産省が推進する「みどりの食料システム戦略」では、2050年までに農林水産業のゼロエミッション化や化学肥料の使用量を30%低減することが定められている。本実証は、この政策に沿った具体的な取組みとして意義がある。

実証では、野村ファーム北海道の農地の一角に、TOWINGが独自に開発した次世代土壌改良資材「宙炭(そらたん)」を散布し、化学肥料の大半を有機肥料に転換する農法を試す。宙炭の農地施用は土壌への炭素貯留効果があることから、カーボン・クレジット制度の活用にも取り組む。

サグリは衛星データをAI技術で活用したソリューションを提供し、宙炭散布後の土質改善による環境負荷軽減効果と生産性向上効果の検証を行う。TOWINGの宙炭を散布した農地でのサグリによる土壌分析、生育分析は初の取り組みとなる。

実証は北海道江別市江別太の野村ファーム北海道所有農地で行われ、約2400㎡の面積で南瓜とスイートコーンを栽培する。宙炭の散布は2024年6月8日に開始され、9月上旬にスイートコーン、9月中旬に南瓜の収穫が予定されている。

サグリは2018年に兵庫県で創業した岐阜大学発のスタートアップで、衛星データのAI解析を活用して環境問題や社会問題の解決を目指している。一方、TOWINGは2020年2月創業の名古屋大学発のインパクトスタートアップで、未利用バイオマスの炭化物と土壌由来の微生物群を組み合わせた高機能バイオ炭「宙炭」を開発・販売している。

両社の技術を組み合わせることで、持続可能な農業の実現に向けた新たな一歩が踏み出された。今後の実証結果が注目される。

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