日本財団と東大が南鳥島周辺の海底鉱物資源を調査

日本財団と東京大学大学院工学系研究科は、2023年6月より日本の排他的経済水域である南鳥島周辺海域におけるマンガンノジュールの揚鉱実証試験及び社会実装に向けた検討を進めている。マンガンノジュールとは、海底鉱物資源の一つで、電気自動車やスマートフォンなどのハイテク製品に使用されるレアメタルを含む鉱物を指す。

今回、揚鉱(海底の鉱物資源を海上に引き上げる)実証試験の事前調査として、資源量や資源分布等の精密調査と、環境影響評価に向けた基礎調査を実施した結果、同水域内で存在が確認されていたマンガンノジュールが高密度で広範囲に分布していることが判明した。

2024年6月21日に東京都港区の日本財団ビルにて、今回採取したマンガンノジュールの成分分析結果と今後の計画について発表会が開催される。また、絶滅した大型古代ザメであるメガロドンの歯を核として成長した貴重なマンガンノジュールも会場にて実物が公開される予定だ。

発表会では、日本財団会長の笹川陽平氏、東京大学大学院工学系研究科長・教授の加藤泰浩氏、日本財団常務理事の海野光行氏、東京大学大学院工学系研究科教授の中村謙太郎氏が登壇し、調査の意義や事業概要、調査結果の詳細について説明が行われる。

日本財団は1962年に創立された日本最大規模の財団で、ボートレースの売上金からの交付金を財源として、子ども・障害者・災害・海洋・人道支援など幅広い分野の活動を推進している。一方、東京大学大学院工学系研究科は1886年に帝国大学工科大学として誕生し、社会のニーズに応えるべく常に変化を遂げてきた。両者が協力して進める今回の調査は、未来の社会を切り拓く重要な一歩となるだろう。

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