地球深部鉱物デイブマオアイトはほぼ乾燥 岡山大などの国際チームが実験で解明
岡山大学や広島大学、愛媛大学などの国際共同研究グループは、地球下部マントルの主要鉱物であるデイブマオアイトが取り込む水の量が、従来想定よりはるかに少量であることを実験で明らかにした。大型放射光施設「SPring-8」を用いた超高精度高温高圧実験により、デイブマオアイトはほぼ乾いた状態で存在することが判明した。この成果は2026年7月24日付の英科学誌「Communications Earth & Environment」に掲載され、岡山大学から同年8月31日に公開された。
高温高圧実験で水溶解度の低さを実証


デイブマオアイトの水含有量は実験的な決定が難しく、地球深部の水循環モデルを構築する上での課題となっていた。
今回の研究では、大型放射光施設SPring-8の川井型マルチアンビル高圧発生装置と放射光X線を組み合わせ、下部マントル最上部条件までの高温高圧下でデイブマオアイトの体積を精密測定した。その結果、乾燥条件と含水条件で合成したデイブマオアイトの体積はほぼ同じであり、水溶解度は従来の推定の10分の1以下となる0.08 wt%以下であることが判明した。
地球深部の水循環モデルを再構築へ
デイブマオアイトはこれまで下部マントルの水を担う可能性が考えられていたが、実際には水をほとんど保持しないことが示された。
主要な下部マントル鉱物が水を保持しないことから、研究グループは、深部の水は主に沈み込む地殻物質に集中するという新たな水循環モデルを提案した。この成果により、地球内部の物質循環と進化プロセスの理解が進むとしている。
論文情報



本研究成果の論文情報は以下の通り。
- 論文名:Limited water incorporation in davemaoite under lower-mantle conditions
- 掲載誌:Communications Earth & Environment
- 著者:Takayuki Ishii, Goru Takaichi, Yu Nishihara, Kyoko N. Matsukage, Shoichi Itoh, Yanhao Lin, Tetsuo Irifune, Daijo Ikuta, Bin Zhao, Dilan H. F. Diyalanthonige, Noriyoshi Tsujino, Sho Kakizawa, Yuji Higo
- DOI:10.1038/s43247-026-03856-7
- URL:https://www.nature.com/articles/s43247-026-03856-7
研究グループのコメント
岡山大学惑星物質研究所の石井貴之准教授は、今回の成果について、日本がリードしてきた放射光とマルチアンビルプレス技術を国内研究グループが融合させたことで実現したとし、この技術と知見を次世代へ継承していきたいとしている。
本記事は岡山大学の発表をもとに作成。



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