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ニチレイフーズ、アマニ豚の脂が胃や小腸の模擬環境で分解されやすい傾向を確認

株式会社ニチレイフーズは、筑波大学との学術指導契約のもと、アマニ油脂肪酸カルシウム配合飼料で肥育した「アマニ豚」の脂に関する人工消化試験を実施した。その結果、ヒトの胃や小腸を模擬した環境において、アマニ豚の脂が一般豚の脂と比べて分解されやすい傾向を示すことが確認された。なお、本試験は人工消化試験による結果であり、ヒトでの消化吸収性や健康効果を評価したものではないとしている。

研究の背景とアマニ豚の特長

水産庁「令和6年度 水産白書」によると、魚介類の摂取量が減少する一方で肉類の摂取量は増加しており、オメガ3脂肪酸(n-3系脂肪酸)を魚介類以外の食品から摂取することへの関心が高まっている。

研究対象となった「アマニ豚」の脂は、アマニ(亜麻の種子)由来の成分を含む飼料を与えて育てた豚から得られる脂で、一般豚の脂と比較してオメガ3脂肪酸の含有量が高く、脂の融点が低い特長を持つ。同社はこの脂質特性に着目し、消化特性に関する研究を進めている。

胃と小腸を模擬した消化試験の結果

試験では、加熱調理した豚ロースの背脂を用い、ヒト胃のぜん動運動を模擬する装置「GDS」や電位差自動滴定装置を用いて胃から小腸までの消化挙動を評価した。国際的な研究ネットワーク「The COST INFOGEST network」が提案する成人および高齢者の消化条件を参考に実施した結果、以下の傾向が確認された。

  • 胃消化特性:胃の消化条件を模擬した試験において、アマニ豚の脂は細かくなりやすく、2時間後に模擬幽門を通過した割合は成人モデルで59.0%(一般豚は36.6%)、高齢者モデルで50.4%(一般豚は33.6%)となり、いずれも一般豚を上回った。
  • 小腸消化特性:胃消化試験後の脂を用いた小腸模擬試験において、脂質分解酵素(リパーゼ)による初期の脂肪分解が速く、2時間後の消化性は成人モデルで63.8%(一般豚は51.4%)、高齢者モデルで59.8%(一般豚は44.7%)と、高い値を示した。

学会発表と今後の展開

本研究の成果は、2025年8月の日本食品工学会第26回年次大会、および2026年9月の第27回年次大会において筑波大学の市川創作氏らとの連名で発表された。

研究担当者の中川柚季氏は、得られた知見を活用して高齢者向けの商品提案や新商品開発につなげたい旨を述べている。また三木悠意氏は、脂肪の質だけでなく状態が消化性に関わることを示す結果であるとし、今後も研究を深める意向を示した。同社は素材の可能性を追求し、新たな食のあり方や価値の創出を目指すとしている。

本記事は株式会社ニチレイフーズおよび水産庁の公表情報をもとに作成。

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