AIがアニサキス検査を自動化、食の安全性向上へ

株式会社MENOU(メノウ)の「検査AI MENOU」が、北海道根室市の水産会社である株式会社カネコメ高岡商店にて、アニサキスの検知システムとして採用された。本検知システムは、アプライド株式会社と株式会社アイエムパックの協力のもと提供されている。

日本では刺身などの生食文化により、生魚に潜むアニサキスによる食中毒被害が多い。厚生労働省の「食中毒統計資料」によると、2019年から2023年までの5年間で発生した食中毒の約半数が寄生虫によるものであり、2013年から2023年の10年間でアニサキスによる食中毒被害件数は7倍に増加している。この急激な増加は、輸送技術の向上により、アニサキスが生きたまま全国に運ばれるようになったことが原因と考えられている。

検査AI MENOUは、熟練検査員の高度なノウハウをAIに学習させることで、人が行っていた目視検査を自動化する。これにより、業務負担の軽減による省人化と検査精度のバラつきをなくすことができる。また、形状や大きさの異なる寄生虫や、目視検査では検知が難しい微細な寄生虫も高精度で検知することが可能だ。

本アニサキス検知のシステム化の取り組みについては、6月19日に東京ビッグサイトで開催される「ものづくりワールド[東京]2024」の特別講演にて紹介される予定だ。