キンドリル調査、日本企業の87%でAI導入速度が組織適応を上回る
キンドリルジャパンは、世界8カ国の経営幹部およびITリーダー1,100人を対象に実施した「キンドリル ピープル・レディネス・レポート2026」の日本に関する調査結果を発表した。日本企業はAIを競争力の源泉として位置づけ高い期待を寄せる一方で、人材や組織、IT基盤の準備が追いついていない実態が浮き彫りとなった。調査対象の世界8カ国の回答結果の平均(以下、グローバル平均)と比較し、導入スピードと組織変革のギャップが明らかになっている。
AI活用への意欲と高いリスク許容度
調査によると、日本企業でAIを競争力の中核と捉えている割合は28%となり、グローバル平均の24%を上回った。また、AI導入に対するリスク許容度についても日本企業は69%に達し、グローバル平均の52%を大きく上回る結果となった。日本企業がAIを単なる効率化ツールにとどまらず、競争力強化やビジネス変革を推進する重要な成長ドライバーと位置づけ、不確実性に対しても前向きな姿勢を示していることがうかがえる。
AI導入による成果として「ITモダナイゼーション」を期待する割合は37%で、グローバル平均の29%を上回っており、老朽化したIT基盤やシステム運用などITライフサイクル全体の変革契機として捉える傾向も見られた。
導入スピードに対し人材や組織の準備に遅れ
一方で、日本企業の87%が「AI導入のスピードは人材、ガバナンス、運営モデルの適応を上回っている」と回答し、グローバル平均の79%より高い水準となった。
AIを活用するための準備が十分に整っていると回答した日本企業の割合は以下の通りで、いずれも限定的な水準にとどまっている。
- 人材:22%(グローバル平均:23%)
- 組織文化:17%(グローバル平均:25%)
- インフラ:28%(グローバル平均:35%)
キンドリルジャパン執行役員マネージングパートナーでAI事業開発室長の田村直剛氏は、AIの価値を持続的な成果につなげるためには、AIを導入する段階から組織全体に定着させる段階へと移る必要があり、人材・組織・IT基盤を一体的に変革していくことが鍵になると指摘している。
将来予測と日常業務における実感の乖離
将来の展望として、日本企業の88%が今後12カ月以内にAIエージェントが事業に重要な影響を与える意思決定を担うようになると予想している。その一方で、74%が「AIは日々の業務にまだ大きな影響を与えていない」と回答しており、グローバル平均の57%を上回った。
技術の導入期待と日々の業務実践との間には依然として隔たりがあり、価値を最大限に引き出すためには技術導入だけでなく業務プロセスや組織全体の変革が求められている。
調査の概要
- 調査名:キンドリル ピープル・レディネス・レポート2026
- 調査対象:日本、ブラジル、フランス、ドイツ、インド、スペイン、英国、米国の8カ国におけるビジネスおよびテクノロジー分野のリーダー1,100人(CEO、CFOなどの経営層、CIO、CTOなどのテクノロジーリーダー、シニアディレクター、事業部門責任者)
- 対象企業の条件:回答者の半数がC-suiteレベルの経営幹部、半数が年間売上高10億ドル以上の企業(銀行・金融サービス、エネルギー・公益事業、医療、保険、製造業、通信の6業種)
- 調査期間:2026年3月24日〜4月30日
- 調査方法:キンドリルの委託を受けたエデルマンインテリジェンスによるオンライン調査および電話インタビュー
本記事はキンドリルジャパン株式会社の発表をもとに作成。
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