NPOと奈良県広域消防組合が連携 救命手当てを行った市民の心のケアへ
NPO法人AQUAkids safety project(大阪市中央区)は、奈良県広域消防組合からの依頼を受け、2026年9月7日に消防職員向けの講演会を実施する。講演後には、救命現場で手当てを行った市民(バイスタンダー)への支援として、同法人が運営する「バイスタンダーサポートサイト」との連携を開始する予定だ。救命手当てを行った市民が不安や悩みを抱えた際、消防から二次相談窓口として紹介できる体制を整える。
救命後のバイスタンダーが抱える不安と課題
バイスタンダーとは、救命現場に居合わせ、傷病者に救命手当てを行った人のことを指す。救命手当てを終えた後、「自分の対応でよかったのか」「傷病者がその後どうなったのか」といった不安や葛藤を抱えるケースがある。個人情報保護の観点から傷病者の経過を知ることができない場合もあり、結果が分からないことが不安につながることもあるという。
「バイスタンダーの心的ストレス反応等をサポートする体制構築に係る提言」(2025年)によると、救命手当てを行ったバイスタンダーの約50%が不安を感じていることが示されている。一方で、専門的に相談できる専用の窓口は国内で十分に整っておらず、同法人のサイトには「ツラくなるなら、次はもう救命手当てをしたくない」といった声も寄せられている。

自身の体験を契機に相談窓口を開設
同法人代表のすがわらえみ氏自身も、過去に倒れた人に救命手当てを行った経験を持つ。周囲に協力を求めても助けが得られず、1人で手当てを続ける中で写真を撮られたり野次を受けたりした経験から、手当てを行った人への支援の必要性を感じたという。その後、カウンセリング資格を取得し、2024年に「バイスタンダーサポートサイト」を開設してオンライン相談を受け持っている。
消防と連携し手当て後の心の支援体制を整備
奈良県広域消防組合との連携では、市民への救命手当て技術の普及にとどまらず、手当てを行った後の心のケアにも着目する。市民が救命後に不安を抱えた場合に消防から専門的な相談窓口を紹介できる体制をつくり、「助けた人も支える」環境の構築を図る。
講演会の概要
- 日時:2026年9月7日(月)10:00~12:00
- 場所:奈良県広域消防連合消防本部 5階
- 内容:「バイスタンダーサポートの必要性と消防に期待される役割」講演
- 対象:奈良県広域消防組合 消防職員
- 主催:奈良県広域消防組合
本記事はNPO法人AQUAkids safety projectの発表をもとに作成。
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