アルテア、Research in Flightを買収し空力解析を強化
計算科学およびAIの分野で世界をリードするアルテアエンジニアリング株式会社は、2024年5月1日に航空宇宙および防衛分野で広く使われている計算流体力学(CFD)ソフトウェアのFlightStream®を開発しているResearch in Flightを買収したと発表した。
FlightStream®は、高精度CFDシミュレーションとエンジニアやデザイナーのニーズの間のギャップを埋める、流体の動きや熱の伝導をシミュレーションするための使いやすく強力な解析ツールだ。非常に高速な計算速度と低いハードウェア負荷、そして洗練されたユーザーインターフェースと強力な空力ソルバーを搭載し、早期の迅速な設計反復や航空宇宙および防衛アプリケーションにおける詳細な空力研究において非常に価値のあるツールとなっている。
FlightStream®は亜音速から超音速の流れを含む圧縮効果を捉えることができ、独自の表面渦度機能を持っている。これにより、パネル法フローソルバーの強みを活かし、現代の計算技術で強化することで、複雑な空力現象を処理できる高速なソルバーを提供する。さらに、独自の表面渦度フロー分離および粘性解析機能を使用して、動力および無動力構成の両方において、非従来型航空機の迅速な解析もできる。
FlightStream®は米国空軍ネットワーク承認ソフトウェアであり、NASA AmesおよびLangley Research Centers、米国陸軍でも使用されている。今後、Altair® HyperWorks®デザインおよびシミュレーションプラットフォームに統合され、Altair Unitsを通じて利用可能になる予定だ。
アルテアの創業者兼CEOであるJames R. Scapaは、「FlightStream®の統合は、航空宇宙、防衛、および関連業界における都市型航空モビリティやeVTOLセクターなどのますます複雑な顧客需要に対応するための、専門的で効率的なアプローチを強化するでしょう」とコメントしている。
Research in Flightの共同創設者であるVivek Ahujaも、「アルテアに加わることで、より多くのエンジニアに強力で専門的なソリューションを提供し、設計反復をより迅速に行うことができるようになります」と期待を寄せている。
アルテアによるResearch in Flightの買収は、同社の航空宇宙および防衛分野における専門性の強化と、FlightStream®の技術力によって、今後ますます高度化・複雑化する空力解析の課題解決に大きく貢献するものと見られる。